- REIT投資の魅力を理解したい
- REITに投資する際のリスクと対策法を学びたい
- おすすめのREITの銘柄を知りたい
投資信託とは、投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめて、運用のプロが株や債券などに投資を行う仕組みの金融商品だ。
投資信託のメリットデメリットを踏まえ検討する中で、不動産投資は、長期的に資産を殖やす有力な手段の一つである。
だが、個人で不動産に投資するには多額の資金が必要で、賃貸経営などは手間も知識も必要となる。
そこで注目されているのが、REITへの投資だ。
REITは複数の不動産への分散投資のため、少額からの投資が可能で、手間も最小限に抑えられる。
また、安定した収益の一部が投資家に分配金として支払われるため、長期的な資産形成に適しているといえるだろう。
本記事では、REITに投資する魅力やリスク、おすすめの銘柄などを紹介し、賢く資産運用をする方法を解説する。
知っておくべきREITの魅力
REITを使って複数の不動産に分散投資することで、安定した収益を得ることができる。
REIT投資には多くのメリットがあり、長期的な資産形成の選択肢として注目されている。
REITの概要
REITは、不動産に投資するための信託形式の投資商品である。
投資法人(REITを運用する事業体)が、投資家から資金を集め、それを原資にオフィスビル、商業施設、住宅などの不動産に投資を行う。
投資家は、REITの投資証券(投資口)を購入することで、間接的に不動産への投資を行うことになる。
投資法人は賃料収入や売却益などを、投資家に対して分配金(配当)として支払う。
また、REIT自体は証券取引所に上場されているため、株式と同様に売買が可能だ。
つまり、REITを通じて不動産投資から得られる収益と、証券の流動性を両立できるのが大きな特徴といえる。
REITを売買するときは、株式やETFと同じように証券会社に口座を開設することで可能となる。
REITは個人で不動産に投資するのと比べ、少額から分散投資が可能で、不動産の管理・運営といった手間が省けるメリットがある。
なお、日本国内の不動産を対象としたREITのことをJ-REITと呼び、海外REITと区別することがある。
海外の不動産に投資できる海外REITであれば、さらに分散投資の選択肢が広がるだろう。
REITに投資する魅力
REITへの投資には以下のような魅力がある。
長期的に安定した分配金収入が期待できる
REITは不動産から得られる賃料収入などの収益の一部を投資家に分配金として支払う仕組みになっている。
収益不動産への分散投資を行うため、長期的に安定した分配金収入を得ることができる。
賃貸や再開発による不動産の値上がり益を享受できる
REITが保有する不動産の価値が上がれば、REIT自体の価格も上がる。
このため、賃料の値上がりや再開発による不動産の値上がり益を、REIT投資家も享受できるだろう。
株式に比べ値動きが穏やかな傾向がある
REITの基準価額は不動産の収益や価値に連動するため、株式と比べると値動きが穏やかな傾向にある。
また、株式ほど相場の変動に左右されにくい性質もある。
インフレにあまり左右されない実物資産に投資できる
REITは実物資産である不動産に投資するため、インフレにも強い資産といえる。
賃料収入がインフレ率に連動して上がるからだ。
こういったことからREITへの投資は、分散投資や長期資産形成の一環として有効な手段といえるだろう。
REITがおすすめな人
REITへの投資は、以下の以下のような方におすすめしたい。
老後の生活資金を長期的に積み上げたい人
安定した分配金収入を老後資金にあてることができる。
株式のように大きな値動きはないが、着実に資産を形成できるだろう。
株式や債券に続く、資産運用の新たな選択肢を求めている人
現金、株式、債券に次ぐ第4の資産運用として、REITは有力な選択肢の一つとなる。
リスク分散の観点からも投資に値するだろう。
インフレにあまり左右されない資産への投資を希望している人
実物資産であり、インフレ時にも賃料収入が上がるため、インフレに強い資産とされている。
インフレをそれほど気にせずに投資できる。
国内だけでなく海外の不動産への分散投資を検討している人
海外REITを選べば、海外の収益不動産にも分散投資できる。
為替リスクにも注意が必要だが、分散投資の選択肢を広げられるだろう。
REITのリスクと対策
REIT投資にもさまざまなリスクが考えられるが、適切な対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることができる。
主なリスクと対策は以下の通りだ。
価格変動リスク
REITの基準価額は、保有する不動産の収益や価値の変動に応じて上下する。
経済情勢が悪化したり、金利が上昇したりすると、不動産価格が下落する可能性があり、その場合REITの価格も下落するリスクがある。
価格変動リスク対策は、長期的な視点で投資を続けることにつきるだろう。
一時的な価格変動に惑わされず、しっかり保有し続けることで、時間の経過とともにリスクを低減することができる。
また、複数のREITに分散投資を行うことで、特定銘柄の影響を薄めることも可能だ。
災害リスク
地震や台風などの自然災害、あるいは火災や事故により、REITが保有する不動産に被害が発生した場合、その不動産から得られる収益が減少してしまう。
大規模な災害が起これば、REITの分配金額が減少したり、一時的に分配金の支払いが停止されるリスクはあるだろう。
このリスクへの対策として、REITが保有する不動産の耐震性などを確認し、災害に強い物件を選ぶことが重要となる。
また、地域分散を意識することも必要だろう。
国内と海外など、物理的な遠隔地の不動産を対象としたREITを複数保有することで、特定地域の災害リスクを軽減することができるはずだ。
法人の倒産・上場廃止リスク
REITを運営する不動産会社が経営破綻に陥り倒産した場合、REITの運用そのものが続けられなくなる可能性がある。
また、上場REITが上場廃止となれば、株式市場で売買できなくなり換金性が失われてしまう。
このリスクを回避するには、REIT選択時に、投資するREITの運用会社の財務状況や過去の運用実績、ガバナンス体制などをしっかりと確認することが大切だ。
経営の健全性が損なわれている兆候がある場合は、投資を控えよう。
優良な運用会社によるREITを選ぶことが何より重要となる。
このように、REITへの投資にもリスクは存在するが、それらを理解し適切な対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることができる。
投資に際しては、リスクとリターンのバランスを考え、熟慮した上で投資判断を行うことが賢明だ。
魅力満載!おすすめのREITの銘柄を紹介
REITの中にもさまざまな特徴を持つ銘柄がいくつもあり、投資目的に合わせて検討する必要がある。
ここでは、おすすめの銘柄を、純資産総額の大きさ、利回りの高さ、運用コストの低さという観点から紹介しよう。
純資産総額(時価総額)が高いREIT銘柄
時価総額が大きく、取引高(流動性)の高いREITを選ぶメリットは大きい。
時価総額が大きいREITほど、経営基盤が安定していて信頼性が高いといえるだろう。
たとえば、「日本ビルファンド投資法人」(8951)は、三井不動産を主要スポンサーとするオフィスビル特化型J-REITである。
2001年に上場した最古参の銘柄の一つで、時価総額は 10,291億円と2024年3月29日時点で1兆円を超えているのは、この銘柄だけだ。
現状の投資口価格は598,000円 で、分配金利回りは4.05%と安定している。
時価総額第2位は、「ジャパンリアルエステイト投資法人」(8952) で7,669億円 である。
こちらは、三菱地所をスポンサーとするオフィスビル特化型J-REITであり、投資口価格は538,000円で、分配金利回りは4.42%となっている。
利回りが高いREIT銘柄
利回りが高いREITは、より多くの分配金収入が期待できる。
REITの利回りは、REITから支払われる1口当たりの分配金額を、REITの基準価額で割った値で表される。
利回りが高ければ高いほど、基準価額に対する分配金の割合が大きいことを意味する。
もっとも分配金利回りが高いREITは、タカラレーベン不動産投資法人(3492)で5.31%となっている。
現在の投資口価格は101,600円なので、1年間の分配金として5,395円が期待できるということだ。
過去5年ほどさかのぼってみても、利回りはほぼ5%であり、安定的に収益を上げているREITといえるだろう。
時価総額は793億円あり、十分な規模のREITである。
なお、分配金には約20%の税金がかかることは覚えておこう。
運用コストが低いREIT銘柄
REIT運用時のコストは、売買にかかる手数料のことだ。
REITの売買は証券会社を通じて行い、売買の際には各証券会社が定めた手数料がかかることになる。
また、売買時の手数料のほかに口座管理料などがかかるところもある。
ただ、楽天証券やSBI証券といったネット証券であれば、売買手数料は無料に設定されていることも多い。
コストが低ければ、その分、投資家の受け取る分配金が多くなるし、利回りもよくなる。
取引額によっても変わるため、事前にどのネット証券がおトクになるのか確認しておきたい。
上記は一例だが、投資目的に合わせて、さまざまな観点からおすすめのREITを選ぶといい。
将来の人生設計において、REITへの投資は、賢く資産運用をする上で重要な選択肢といえるだろう。
REITを活用した資産運用の相談先はどこがいい?
REITへの投資は長期的な資産運用の選択肢として注目されているが、一方で価格変動リスクや災害リスク、運用会社の倒産リスクなど多くのリスクも存在する。
そのため、REITへの投資を検討する際には、専門家に相談することが大切だ。
REITへの投資を専門家へ相談する重要性
REITへの投資は一般の株式投資とは異なり、不動産に関する専門的な知識が必要となる。
あなたに十分な知識がなければ、効果的なリスク分散ができず、想定外の損失を被る可能性があるだろう。
また、REITへの投資にあたっては、長期的な資産形成という観点から、ライフプランやリスク許容度を踏まえた投資計画を立てることが重要となる。
自分だけでは投資計画の立案が難しい場合もあるかもしれない。
このように、REIT投資では専門家への相談が不可欠だ。
専門家に相談することで、REITの仕組みや特性、リスク管理の方法などを的確にアドバイスしてもらえるはずだ。
IFAの役割とメリット
REITへの投資の相談に適した専門家として、独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)がおすすめだ。
IFAは特定の金融機関に所属せず、顧客の利益を最優先に考えたうえで、中立的な立場から最適なアドバイスをしてくれる。
IFAを活用するメリットは以下4点だ。
- 金融商品の比較検討から、最適なポートフォリオの組み立てまで、トータルでサポートしてくれる
- 中立的な立場から、顧客にとって最適な投資アドバイスを行ってくれる
- 個別の投資ニーズにあわせて、きめ細かなアドバイスをしてくれる
- 投資のタイミングや購入、運用管理まで、継続的にサポートしてくれる
REITへの投資は長期的な資産運用につながるため、IFAのようなパートナーと二人三脚で取り組むことが賢明だろう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法と利用推奨
IFAを見つけるには、インターネット上でIFA検索サービスを提供している「資産運用ナビ」を活用するといい。
このサービスは、無料で最寄りのIFAを簡単に検索できるだけでなく、各IFAの資格や得意分野、コンサルティングスタイルなど詳細なプロフィールを確認できる。
あなたに合うIFAを効率的に見つけられるだろう。
REITは長期投資に適した投資商品である。
そのためIFAの選び方を誤ると、資産運用に大きな影響を与えかねない。
「資産運用ナビ」を活用すれば、自身に最適なIFAを見つけることができ、REITを活用した着実な資産形成につなげることができるだろう。
REITの魅力を投資に活用しよう
この記事では、REITに投資する魅力や、REITで起こりうるリスクと対策方法について、詳しく解説した。
また、おすすめのREITの銘柄もいくつか紹介した。
具体的な商品も提示したが、あくまで一例であり、その最適解は個人によって異なるはずだ。
REITへの投資について、疑問や不安があれば、ぜひ専門家からアドバイスを受けてみてほしい。
とくにIFAは、中立的な立場からあなたに最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれるだろう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用し、あなたに合ったIFAをみつけよう。