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【3645】株式会社メディカルネット 代表取締役会長CEO 平川大氏「歯科医療のプラットフォームビジネスにおいて、国内外でトップ企業となる」

※本コラムは2023年3月20日に実施したIRインタビューをもとにしております。

今注目されている歯科医療でプラットフォームビジネスを展開している株式会社メディカルネット。

代表取締役の平川大氏に、事業領域選択の背景と、今後の成長戦略についてお伺いしました。

目次

株式会社メディカルネットを一言で言うと

歯科医療のプラットフォーマーです。

創業の経緯

創業時は今よりも大きな構想を持っていました。それは、生活者の医療リテラシーを高めると同時に、そのメディアを通じて医療機関への問い合わせ・予約等、ヘルスケア全般を網羅するメディアを構築するというものでした。

さらには、医院や診療所の患者管理システムや電子カルテ作成、バックエンドシステムをITを用いて連結し、医療機関の業務効率を改善できるような環境を整えることも目指しておりました。

しかしこれでは構想が大きすぎて、事業展開に障害が生じてしまうということもあり、事業領域を絞るという方針に転換いたしました。そこで我々は歯科医療業界に焦点をあて、新規事業を模索しておりました。

当時、プラットフォーム構築という観点での歯科医療業界はブルーオーシャンでした。また、歯科医師の大半が開業をするという業界構造上、経営課題を抱えている歯科医院は多く存在しているだろうと予測し、その領域に絞ってプラットフォーマーとしての事業を展開するという結論に至りました。

事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

現在に至るまでの最大のターニングポイントは、2005年前後にインターネットが医療機関に浸透し始めたタイミングです。当社がポータルサイト運営を開始したのは2000年になりますが、インターネットを活用した集患・増患という考え方はまだごく一部の医療関係者にしか浸透しておらず、売上を伸ばしきれていないという状態でありました。

しかし、2005年頃にインターネットの広範性、自由性、即時性が広く認知され始めました。その外部環境の変化に伴って歯科医療業界にもインターネットを活用するという風潮が高まり、収益性の向上と成長の加速に繋がりました。

事業内容

当社の事業は大別すると、生活者、歯科医療機関、歯科関連企業を対象とした3つの事業に分けられます。

事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

まず生活者に向けた事業ですが、これはBtoCメディアであるメディア・プラットフォーム事業となります。

クリニックや医療機関からの情報発信を集約したメディアとなっていて、歯科医院の検索に加え、歯の基礎知識から専門的な内容まで、歯科医療の有益な情報を生活者に提供しています。

分かりやすく言えば、グルメレビューサイトの歯科版となるでしょうか。

メディアに掲載する情報は、質と量という2点にこだわっており、特に最新の情報を皆様に提供できるよう常にキャッチアップしております。

また、それらの情報を利用者全員にお伝えできるよう、かみ砕いた形で提供するという点にサービス開始以来20年以上こだわってきました。

当初は歯科に領域を絞っておりましたが、現在ではエステや美容整形等、ヘルスケア全般に拡大し、58メディアを運営しています。売上全体の7割を占める主軸事業であり、かつ高収益性なビジネスモデルとなっています。

事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

次に歯科医療機関に向けた事業として医療機関経営支援事業を行っています。

メディア・プラットフォーム事業において獲得した顧客基盤に対して、不動産、内装・外装、医療機器といったリアル面でのサポートから、webプロダクト作成などのインターネット上でのサービスに至るまで、医療機関経営に必要なものを一貫して提供しております。

この領域は今最も伸びているところです。今後、M&Aによる顧客基盤の拡大を行い、取引数を増加させたいと考えております。

最後は、歯科関連企業に向けた医療BtoB事業になります。これは、歯科医療従事者への有益な情報を提供することに合わせて、歯科関連企業のマーケティングを支援するプラットフォーム事業です。

ここには約4万人の歯科医の方、そして多数の歯科関連企業に登録していただいておりまして、双方が活発に交流できるようなイベント、サービスを展開しております。加えて、人材ビジネスを立ち上げて求人広告や人材の紹介にもサービスを拡大させる方針です。

これら3つの事業を行うことで、生活者、歯科医療機関、歯科関連企業を内包するようにビジネス展開をできているので、我々はこれを「歯科医療のプラットフォームビジネス」と表現してしております。これは海外を含め、唯一無二の取り組みであります。

中長期の成長イメージとそのための施策

数値目標としては、2025年までに売上100億円を目指しております。そこへ向けた具体的な施策は主に3つあります。

まずは、今当社が確立している歯科医療プラットフォーマーとしてのポジションをさらに強固なものにしてまいります。

事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

新規顧客の開拓はもちろんのこと、人材の採用と育成、定着化へも注力してまいります。「インターネットを活用し 健康と生活の質を向上させることにより 笑顔を増やします。」というミッションを掲げ、ここに根ざした経営に本気で取り組んでおります。

社員一同、この明文化されたミッションを理解し、実践して習慣化するということに取り組んでおります。

採用においても、我々の事業や理念、描いている会社の未来に共感していただける方を積極的に採用しております。その後の教育プログラムでも、ミッションに則った研修を実施し、定着率の向上に努めております。

事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

次に、新領域でのプラットフォームの育成です。近年、歯科業界でも対症療法から未病・予防へと舵が切られ始めています。その外部環境の変化を受け、口腔環境から全身の健康増進を支援するため、「予防・未病プラットフォーム事業」の育成を推進してまいります。

このように拡大が見込まれるマーケットでの事業展開は、企業価値向上への大きなドライバーとなります。

当社は創業以来、歯科の対症医療、歯科医院の経営、歯科プラットフォームの運営というところに取り組んできました。

歯科の未病・予防という領域は新しい分野であるものの、完全な未知の領域というものでもありません。今までの経験則やノウハウ、用いてきた戦略が十分に通用する分野であると我々は考えております。

後は、新規プラットフォーム事業に取り組むための内部体制を整え、適切なタイミングを捉えることで、成長の蓋然性をさらに高めることができると確信しております。

最後に、歯科医療事業の上場を軸にしたアジア展開です。これは、タイで展開している歯科医療事業を上場させ、ASEAN地域での事業拡大を目指す計画になります。

ASEAN地域は急激な成長を遂げており、事業拡大のレバレッジの高さが期待できます。一方医療制度や医療サービスという点においては後進国であり、遅れをとっているのが現状です。地理的な近さもあり日本と、文化面でも近しいものがあります。

そのような観点で、我々はASEAN地域での事業展開に成長可能性を見出しています。中でも、タイの首都バンコクは世界最大の在外日本人人口を抱え、かつ他の東南アジア諸国からの患者獲得も見込めます。そのため、日本人向けの歯科医院経営のニーズが高いと判断し、まずはタイで始めるという結論に至りました。

2017年9月の歯科医院開業以来、業績は非常に順調であり、財務成績的にはもう上場が可能な規模まで拡大しています。ですが、上場審査のプロセスでは別の課題があるため、まだ慎重な検討をしている段階にあります。そこへの準備を怠らず、引き続きタイ国内での事業拡大に注力してまいります。

事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

投資家の皆様へメッセージ

岸田総理大臣が国民皆歯科検診を謳っているように、予防歯科というものへの世間の注目度は高まっています。

当社は歯科医療業界のプラットフォーマーとして事業を展開し続けてきました。注目が集まっていて、拡大をし続けているマーケットにおいて唯一無二の存在であるところを皆様には知っていただきたいです。

口腔のケアから、皆様の全身の健康を支えていけるよう取り組んで参りますので、応援していただけますと幸いです。

株式会社メディカルネット

本社所在地:東京都渋谷区幡ヶ谷1-34-14 宝ビル3F

設立:2001年6月

資本金:2億86百万円(2023年4月アクセス時)

上場市場:東証グロース(2010年12月21日上場)

証券コード:3645

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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