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REITで始める資産形成におすすめの方法と効果的な投資戦略とは?

この記事で解決できるお悩み
  • REITの仕組みや特徴を理解したい
  • REITの選び方を理解したい
  • REITで安定的な資産形成を実現したい

投資信託を検討する中で、「REIT投資を始めたい」「REIT投資ってどんな仕組み?」「成功させるコツは何?」REIT投資に興味をもち、たくさんの疑問を抱えている人は多いだろう。

REITとは手軽に始められる不動産投資である。

しかし、その仕組みや選び方、安定運用のポイントなどを理解していないと失敗しかねない。

本記事では、REITの基礎知識から具体的な運用方法までをわかりやすく紹介する。

初心者でも安心して資産形成につなげられるだろう。

目次

REITで資産形成をするなら知っておきたい入門知識

REITとは、不動産投資信託(Real Estate Investment Trust)の略称である。

ここでは、REITの概要やメリットとデメリットを確認しておこう。

REITの定義と仕組み

REITは、不動産に投資するための信託形式の投資商品である。

投資法人(REITを運用する事業体)が、投資家から資金を集め、それを原資にオフィスビル、商業施設、住宅などの不動産に投資を行う。

投資家は、REITの投資証券(投資口)を購入することで、間接的に不動産への投資を行うことになる。

投資法人は賃料収入や売却益などを、投資家に対して分配金(配当)として支払う。

REIT自体は証券取引所に上場されているため、株式と同様に売買が可能だ。

つまり、REITを通じて不動産投資から得られる収益と、証券の流動性を両立できるのが大きな特徴といえる。

REITを資産形成におすすめする理由

REITのメリットは、大きく以下の4点となる。

少額投資が可能

個人で不動産に投資するには、少なくとも数百万円単位の金額が必要となるが、REITなら数万円から購入することが可能である。

流動性が高い

REITは証券取引所に上場しており、株式やETFと同様、自由に売買することができる。

また、市場が開いていればいつでも換金できるため、流動性が高いといえるだろう。

分散投資でリスクを軽減

投資家個人の場合、多くの資金がなければいくつもの不動産を売買することはできない。

一方、REITでは、運用主体の投資法人が複数の物件に投資するため、必然的に分散投資を行うことになり、特定の不動産に依存するリスクを回避することができる。

安定した分配金

REITの収益源は、不動産の家賃収入であり、一度入居した借主が突然半減することもないため、安定した収益が期待できる。

こうしたメリットを理解したうえで、分散投資と長期保有を心掛けることが重要となるだろう。

REITで資産形成を進める際の注意点

REIT投資を進めるうえでのデメリットやリスクも確認しておこう。

不動産価格変動リスク

REITが実質的に保有する不動産の価値は常に変動している。

不動産の需給環境や地価の変化などにより、保有物件の価値が下落すれば、REITの純資産価値も当然下がる。

特に景気後退期には物件価値の大幅な下落リスクがあるだろう。

金利上昇リスク

REITは不動産取得のために、多額の借入れを行っているのが一般的である。

金利が上昇すれば、借入金の支払利息が増えて収益を圧迫することになる。

また、金利上昇は不動産価格の下落要因にもなり、REITの価値を下げる可能性がある。

運用コストの増加

REITの運営には、投資法人の人件費や物件管理コスト、借入金の金利コストなど、様々な費用がかかる。

運用コストが高額だとパフォーマンスに影響が出てしまう。

空室リスク

テナント企業の移転や経営破綻などにより、保有物件の空室率が高まれば、収益の大幅な減少につながる。

オフィスビルや商業施設などに空室が目立てば、REITの価値は大きく低下するだろう。

このようにREITにはさまざまなリスクが存在するため、投資に際してはリスク要因を十分に理解し、適切なリスク管理を行う必要がある。

資産形成の観点から見たREITの選び方

REITへの投資を検討する際は、その銘柄をよく吟味する必要がある。

ここでは、投資に値するREITを選ぶためのポイントをあげていこう。

各種指標の確認

REITを選ぶ際は、分配金利回り、NAV倍率、FFO倍率などの指標を参考にするとよいだろう。

分配金利回り

REITが投資家に支払う分配金の割合を示す指標のこと。

過去1年間の分配金 ÷ 投資口価格 × 100 で計算できる。

分配金利回りが高いほど、投資家にとって魅力的なREITとなる。

通常は4%程度が平均となる。

NAV倍率

NAV(Net Asset Value)倍率とは、REITの1口当たり価格が、1口当たりの純資産額の何倍かを表す指標である。

投資口価格 ÷ 1口当たり純資産額で計算される。

NAV倍率が1倍よりも低い場合は割安、1倍を上回れば割高と判断される。

FFO倍率

FFO(Funds from Operations)倍率とは、REITの純利益から借入金の利息支払いを差し引いた金額のうち、分配金として支払う割合を示す指標のことだ。

この値が低いほど、財務的に安定しているREITといえる。

一般にFFO倍率は50%以下であれば、健全な水準と考えられる。

これら3つの指標を総合的に判断し、バランスのとれた銘柄を選ぶことが賢明だろう。

エリアや不動産の種類を確認

投資対象のエリアや不動産の種類にも注目が必要だ。

景気の良い都市部のオフィスビルや人気のあるショッピングモールなど、将来性の高い物件に投資しているREITを選んだほうがいいだろう。

投資対象の立地やエリア特性、不動産の種類も重要なチェックポイントとなる。

たとえば、オフィスビルへの投資なら、テナント企業の業績が良好で空室率が低い都市部に立地するREITを選ぶべきだ。

商業施設への投資であれば、人気エリアの大型ショッピングモールなどにフォーカスするのが無難だ。

また、物流施設やヘルスケア施設(病院や高齢者住宅)などの施設特性も考慮に入れる必要がある。

成長が見込める分野のREITに投資するのが大切だ。

時価総額と流動性の確認

REIT自体の時価総額が大きく、取引高(流動性)の高いREITを選ぶメリットは大きい。

時価総額が大きいREITほど、経営基盤が安定していて信頼性が高いといえるだろう。

また、運用コストの水準も相対的に低くなる傾向にある。

取引高が多ければ売買しやすく、いざ売却する際の約定の難易度も低くなる。

特に長期保有を見込む場合、この流動性は重要なファクターとなるはずだ。

分析力とリスク許容度

さらに重要なのが、REITの実態を冷静に分析する力、そしてリスクをどこまで許容できるかという点であろう。

景気動向や金利変動、テナント企業の業績、当該エリアの人口動態などを総合的に勘案し、リスクとリターンを十分に吟味することがREIT投資には大切となる。

自分自身のリスク許容度を超えないよう、無理のないポートフォリオ構築を心掛けたい。

このように、さまざまな角度からREITを多面的に評価することが、良い銘柄を選ぶ上で肝心となる。

分析力を高め、慎重に検討を重ねることが賢明な投資につながるはずだ。

REITで安定した資産形成を実現するためのポイント

REITのメリット、デメリットを正しく認識したうえで、長期的な視点で投資し、分配金の再投資を行い、リスク分散を考慮したポートフォリオを構築することが重要となるはずだ。

長期的な視点での投資戦略

REITへの投資は長期的な視点が何より大切である。

短期的な値動きに一喜一憂することなく、最低でも5年以上、できれば10年以上の長いスパンで保有し続けることをおすすめしたい。

不動産は値動きが緩やかなうえ、経済サイクルの影響を受けやすい性質がある。

景気後退期には一時的に価格が下落するリスクもあるが、長期的に見れば上昇基調をたどることが期待できるだろう。

REITの分配金収入も長期保有ほど有利になる。

投資に際しては、あらかじめ長期保有を前提としたポートフォリオを構築し、節税対策なども念頭に置いておくことが賢明だ。

短期的な売買目的ではなく、あくまで長期の資産形成を目指す姿勢が肝心となる。

分配金の再投資

REITから支払われる分配金(配当金)は、できるだけ再投資するようにしたい。

再投資とは、出た分配金を再び投資に回すということ。

分配金を再投資することで、保有口数が増えるだけでなく、複利の効果によってさらなる利益の増額につながる。

商品によっては、最初から分配金を出さずに再投資に回す仕組みのものもある。

極力、分配金を受け取らずに再投資に回すようにしたい。

リスク分散を意識したポートフォリオの構築

上であげたように、REITにはさまざまなリスクがあるため、投資に際してはリスク分散を意識したポートフォリオを組む必要がある。

具体的には、複数の銘柄に分散投資するのはもちろん、用途の異なる複数タイプのREITに投資するのがベストだ。

つまり、オフィスREITだけでなく、商業施設REIT、住宅REIT、物流施設REITなどさまざまなタイプをバランス良く組み入れるようにしたい。

さらに、東京や大阪などの人気エリアへの地域一極集中を避け、全国展開のREITや地方都市のREITなどにもある程度投資を行うことで、リスクをさらに分散できる。

また、公募増資などによる新規REIT銘柄の積極的な組み入れも検討するべきだろう。

高い資金の稼働率を維持しつつ、リスクを分散させる工夫が資産形成の鍵となる。

このように、長期投資の視点、分配金の再投資、そしてリスク分散を意識したポートフォリオ構築が、REITを活用した安定的な資産形成の大前提となる。

 REITを活用した資産形成の相談先はどこが良い?

REITを使った資産形成は、慎重に行う必要がある。

適切な専門家からアドバイスを受けながら、自身の状況に合ったポートフォリオを構築することが不可欠となるだろう。

REITの疑問点を専門家に相談することの重要性

REITへの投資を積極的に行うには、専門知識の習得が必須だ。

REITの仕組みやリスク、税制面での留意点など、理解が浅いとうまく運用できないだろう。

そこで、REITに詳しい専門家に相談し、アドバイスを受けることをおすすめしたい。

専門家に相談することの最大のメリットは、豊富な経験に基づく知見とアドバイスを受けられる点にある。

資産運用にはさまざまなリスクが伴うが、プロの目線で投資判断を支援してもらえるため、リスクを最小限に抑えた運用が可能となるはずだ。

また、税制面や制度面での知識も専門家なら十分に有しているだろう。

IFAの役割とメリット

REITによる運用で安定した資産形成を行うには、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を活用することも有益だ。

IFAは、特定の金融機関に所属せず、投資家の利益を最優先する中立的な立場のアドバイザーである。

さまざまな金融商品から最良のものを選び、無理のないプランを立案してくれる。

また、IFAは、幅広い金融商品のなかから、あなたに合った商品を提案してくれるだろう。

さらに、継続的なフォローアップを心がけるIFAが多く、長期的な資産運用にも適しているといえる。

REITを使った安定的な資産運用を実現するため、IFAを活用することが賢明といえるのではないだろうか。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法と利用推奨

自分に最適なIFAを見つけるために、「資産運用ナビ」というIFA検索サービスを使ってみてはどうだろう。

このサイトでは、IFAの経歴や実績、得意分野といった情報も公開されているため、安心して検索することができる。

条件に合う複数のIFAを、比較検討できるのも大きな利点だ。

まずは無料で資産運用の相談をすることも可能である。

検索サイト「資産運用ナビ」を上手く利用し、自分に最適なIFAを見つけて、REIT投資を積極的に賢く進めてほしい。

REITを活用して資産形成を進めよう

本記事では、REITの基本概要やメリット、デメリットに加え、REITを選ぶ際のポイントを詳しく解説した。

また、REITで安定的な資産形成を行うための重要点も説明した。

今後、REITを活用した資産形成を進めるうえで疑問や不安があれば、専門家からアドバイスを受けることをぜひおすすめしたい。

とくにIFAは、中立的な立場からあなたに最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれるだろう。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用し、あなたに合ったIFAを見つけてほしい。

REITで行う資産形成に関するQ&A

REITを活用した資産形成にはどのようなリスクがありますか?

REIT投資には以下のようなリスクが考えられる。

  • 不動産価格変動リスク
    • REITが保有する不動産の価格が下落した場合、REITの基準価額が下がるリスクがある
    • 不動産価格は景気動向や金利変動の影響を受けやすいため、価格変動リスクは比較的高い
  • 空室リスク
    • REIT が保有する物件の空室率が高まると、家賃収入が減少し、REITの収益性が低下するリスクがある
  • 借入れリスク
    • REIT は不動産を取得する際に借入れを行うことが多いため、金利が上昇すると借入コストが増え、収益が圧迫される可能性がある
  • 特定地域・物件への集中リスク
    • 特定の地域や物件に投資が集中すると、その地域や物件の収益性次第でREIT全体の収益が大きく左右されるリスクがある
  • 金利上昇リスク
    • REITは不動産取得のために多額の借入れを行っているため、金利が上昇すれば、借入金の支払利息が増えて収益を圧迫することになる
    • また、金利上昇は不動産価格の下落要因にもなり、REITの価値を下げる可能性がある。

このようにREIT投資には不動産特有のリスクがあるため、分散投資は不可欠といえる。

REITの平均利回りはどれくらいですか?

金利が上昇すると、REITには以下の2つの悪影響がある。

  • 借入金の支払利息の増加
  • 不動産価格の下落リスク

一方、金利が低下すれば、借入金の支払利息が軽減され、不動産需要の増加から物件価値が上がることが考えられる。

REIT投資では、金利動向を慎重に見守り、適切なタイミングでポートフォリオ見直しを行う必要があるといえるだろう。

金利変動時、REITはどんな影響を受けますか?

REIT投資に適した人の特徴を端的にまとめると、以下の通りとなる。

  • 長期的な資産形成を目指す人
  • 一定のリスク許容度がある人
  • 分散投資を実践できる人

つまり、短期的な値動きにとらわれずに長期保有ができ、REITに伴うさまざまなリスクを理解し許容できる投資家がREIT投資に適しているといえる。

REITを活用した資産形成に適した人の特徴は何ですか?

REIT投資に適した人の特徴を端的にまとめると、以下の通りとなる。

  • 長期的な資産形成を目指す人
  • 一定のリスク許容度がある人
  • 分散投資を実践できる人

つまり、短期的な値動きにとらわれずに長期保有ができ、REITに伴うさまざまなリスクを理解し許容できる投資家がREIT投資に適しているといえる。

REITを活用した資産形成での失敗例にはどのようなものがありますか?

不動産は価格変動、金利変動、自然災害リスク、為替などに大きく影響を受ける。

また、不動産投資法人が倒産した場合は大きな損害を被ることも。

REITでの資産形成をするのであれば、需要が高く、空室リスクの少ない物件選びが重要だ。

REITの運用成績を評価する際、最も重要な指標は何ですか?

REITの運用実績を評価する際に重視すべき指標は下記のとおりだ。

  • NAV倍率(純資産の時価評価)
  • FFO倍率

NAV倍率とは、株式投資に当てはめると株価純資産倍率のこと。

NAV倍率を理解することで、1口あたりの価格が割高なのか割安なのかを判断することができる。

NAV倍率が1倍よりも低い場合は割安、1倍よりも高い場合は割高になるため、REITの選定時に役立つ指標である。

また、FFO倍率も1口あたりの価格の高さを判断する材料の1つだ。

FFO倍率が低いほど、1口あたりの価格が割安であることを表しているため、REITの運用成績を評価する際にチェックしてほしい。

REITを活用した資産形成の効率を高める税金対策にはどのような方法がありますか?

REITを活用した資産形成でおすすめの税金対策は、NISAを利用することだ。

NISAは1,800万円までの投資から得た利益が無期限で非課税対象となるため、長く利用するほど税金対策に効果的である。

長期的な資産形成の最中にREITが急落した場合の対処方法は何ですか?

運用中にREITが急落した際は、回復を待つか売却するかの2つの方法がある。

相場全体が下落している場合は、そのまま持ち続ける方が良いことが多い。

一方、投資法人そのものの価値が下落したり成長性がないと判断される場合は 売却も視野に入れるべきかも知れない。

難しい選択になるため専門家に相談するのも1つの手段だ。

急落すると「これ以上損をしたくない」という心理が働き焦ってしまいがちだが、冷静に判断することをおすすめする。

REITの分配金の計算方法を具体的に教えてください。

REITの分配金の計算方法は下記のとおりだ。

実績分配金利回り=1年間の予想分配金 ÷ 投資額

長期的なインフレ期において、REITを活用した資産形成は有効な手段ですか?

インフレ対策にREITは効果的だ。

REITは全体的に配当が高めであるため、インフレ率を上回る可能性が高い。

国内だけでなく海外の不動産にもバランス良く分散するといいだろう。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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