1. ホーム
  2. IR情報
  3. 【1435】株式会社Robot Home 代表取締役CEO 古木大咲氏「テクノロジーで賃貸住宅に変革を」〜不動産投資業界を変えるイノベーションリーダー〜

【1435】株式会社Robot Home 代表取締役CEO 古木大咲氏「テクノロジーで賃貸住宅に変革を」〜不動産投資業界を変えるイノベーションリーダー〜

※本コラムは2023年12月12日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社Robot HomeはAI・IoT技術を用いて賃貸住宅に関わる全てを便利にしていく会社です。

代表取締役CEOの古木大咲氏へ、事業戦略の変遷や今後の成長方針を教えていただきました。

目次

株式会社Robot Homeを一言で言うと

テクノロジーで賃貸住宅を変え、不動産業界に変革をもたらす会社です。

沿革

株式会社Robot Home 代表取締役CEO 古木大咲氏

IoTの可能性への気づきと独立

2000年、私は20歳の時に福岡の不動産会社に入社しました。

当時の不動産会社はWebサイトも無く集客は全て人力でした。

その中でインターネットの可能性に目をつけた私は、「Webサイトを作って集客ができないか」と提案しました。

ターゲットは個人で、投資用不動産の販売がメインです。

当時はまだインターネット黎明期であったことから、SEO(検索エンジン最適化)の効果は直ぐに現れました。

全国各地から集客が進み、月に50件ほどの問い合わせが来るようになりました。

2005年には私の事業部だけで売上が25億円にまで増え、会社全体の半分を占めるといった状況でした。

しかし、2003年頃から台頭してきたリスティング広告により徐々に広告単価が上がり、経営戦略としてWebサイトでの集客を続けることは難しくなってしまいました。

そこで、全て自分で決裁できる会社を立ち上げてしまおうと思ったことが創業のきっかけです。

事業転換と上場

創業以来、当社はインターネットでの集客を通じて土地を購入し、新築住宅を建築して販売するというビジネスモデルを展開してきました。

しかし、2008年9月に転機となる出来事がありました。

リーマンショックです。

当時のビジネスモデルは、金融機関から借入をして購入した土地と建物を、顧客にローンを組んでもらって販売するという、在庫を抱えたモデルでした。

しかし、個人へのローンが下りなくなり肝心の不動産が売れなくなってしまったことで、倒産の危機に晒されることとなりました。

そこで思い切ってビジネスモデルを変える決断をしました。

顧客に土地を購入してもらい、そこに建物を建てて販売するというモデルに切り替えたのです。

金融機関からの借入に依存しない業態に切り替えたことで、売上を着々と伸ばし2015年には上場を果たしました。

事業の概要と特徴

概要

当社のビジネスは、AI・IoT事業とRobot Home事業の大きく2つに分けられます。

AI・IoT事業では、賃貸住宅の管理システムやDX化された賃貸住宅の提供、入居支援に加え、DX総合支援として他業種へ当社の自社プロダクトやノウハウの提供を行っています。

Robot Home事業では、賃貸経営を行うオーナーに対してプラットフォームを提供し、テクノロジーによる自動化や効率化をサポートしています。

株式会社Robot Home 2023年12⽉期第3四半期 決算説明資料 より引用

事業における優位性

膨大なデータの有効活用と確かな戦略

当社の賃貸物件の入居率は2013年から2023年まで95%を超えていて、実は創業以来18年間、ずっと安定して高い水準を保っています。

また、当社は政令指定都市を中心におよそ26,000室の賃貸物件を管理しています。

その入居者データを使って、どのエリアで土地を仕入れるべきか、どのような物件を建てるべきか、などを日々分析しています。

また、賃貸を探すときに何を重要視しているかという視点に立てば、入居率を高めるための方法は自ずと分かります。

検索サイトなどでは、立地条件が良く、安い賃貸物件は営業力にかかわらず直ぐに埋まっていきます。

そのため、適切な立地と適切な価格を分析することが重要です。

当社では、このように膨大なデータを活用することで、できる限りコストを削減して条件の良い物件を安く提供することを可能にしています。

株式会社Robot Home 2023年12⽉期第3四半期 決算説明資料 より引用

AI・IoTを活用した賃貸住宅の自動化

AI・IoTを駆使して、賃貸経営を自動化させることでオーナーと入居者双方の満足度を高めています。

当社の提供する物件の多くには入居者の生活利便性を高める様々なIoTデバイスが標準搭載されています。

例えば、当社が提供するアプリ(robot home kit)があれば、外出先でもスマートフォン1つで来訪者を確認し、応対からエントランスの開閉まで行うことができます。

入居者にアンケートを取ったところ、本機能をAmazon等での再配達や置き配に利用しているそうです。

当社の提供する物件は、3階建てで10数世帯しか入っていないような比較的小さなサイズが中心ですが、集合玄関を設置しオートロックのついた物件であることが特徴です。

そのため、宅配便など100世帯以上居住するような出入りの多いマンションとは異なり、置き配などがしにくいなどの問題がありましたが、これを解決する手段としてアプリが活用されています。

IoT機器を標準搭載した物件の資産価値は今後も上がっていきますし、入居者の安定的な確保にも繋がっています。

株式会社Robot Home 2023年12⽉期第3四半期 決算説明資料 より引用

プラットフォームからの安定的なストック収入

これまでと切り口は若干異なりますが、Robot Home事業の強みは当社の盤石な財務体質に紐づいています。

当社に登録をいただいている会員は2,819名で、そのうち実際に不動産を保有しているオーナーは2,099名、管理戸数は26,080戸あります。

ここから得られるストック収入の粗利だけで約18億円あり、全社Grの販管費が約19億円なので、ほぼ全社Grの販管費をまかなえています。

この安定的なストック収入を土台に、販売する物件の利回りを高い水準に保つことで賃貸経営プラットフォームを強く確かなものにしています。

株式会社Robot Home 2023年12⽉期第3四半期 決算説明資料 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

加速する不動産DX

不動産投資業界、そして不動産業界全体を変えていきます。

現在、私は不動産業界の上場企業が多数参画するDX不動産推進協会という団体の代表理事をしています。

2022年5月の宅建業法改正により、重要事項説明書・売買契約締結・媒介契約締結などのオンライン手続きが認められ、不動産にまつわる電子契約が可能になりました。

今後は、不動産情報を1つのIDで管理できるような仕組みづくりを、国交省とも協議しながら推進していく予定です。

ほとんどの不動産仲介業者は未だに紙での契約を行っていますが、既に当社は大半の契約を電子契約に移行させました。

紙での契約の場合、郵送のやり取りなどで数日かかってしまうものの、電子契約であれば直ぐにサイン可能なので契約の機会を逃しません。

当社がDX化をリードし、業界全体を変えていくことで不動産流通のスピード感も上がります。

また、これによりいち早くDXを主導してきた当社の企業価値も高まるのではないかと考えています。

株式会社Robot Home 2022年12⽉期 決算説明資料 より引用

リアルエステートテックからウェルステックへ

Robot Home事業を引き続き拡大させていきます。

そのために、物件への投資から経営、売却や再投資まで、全てを包括したプラットフォームにしていく予定です。

現在の会員数は2,819名ですが、各種マーケティング施策を展開して会員数を着実に伸ばしていきます。

また、プラットフォームの価値を高めていくためにコンシェルジュの配備や、物件の迅速な査定を行うことで売却・再投資を促します。

これらの取り組みを通じ、今後は単なる不動産投資物件や管理サポートだけではなく、オーナーの資産形成をトータルでサポートしていくウェルステック企業を目指していきます。

株式会社Robot Home 2023年12⽉期第3四半期 決算説明資料 より引用

DXコンサルの展開

現在、リアル×テクノロジーでDX化したいという累計39社の企業に対してDXコンサルティングを行っています。

今まで培ってきたリアルとデジタルのノウハウを活用し、経営戦略やマーケティングといったものから、サービス開発、システム要件定義、PR活動に至るまでを提供しています。

例えば、自社物件にどうすれば入居者が増えるのかについて困っているとしましょう。

当社はプラットフォーム上で蓄積される入居者属性や反響管理などのデータを収集・分析をして適切な形で事業に活かしています。

そうして蓄積したナレッジに基づいて、他社に対するマーケティング施策やPR活動のコンサルティングを行っており、利益率も高く安定した事業となっています。

今後も、当社が開発したシステムや施策を通じて、DXによる新たな価値創造を推進していくとともに、その技術やノウハウを活かしたコンサルティングの機会を増やして行こうと考えています。

株式会社Robot Home 2023年12⽉期第3四半期 決算説明資料 より引用

注目していただきたいポイント

当社は不動産業界には珍しい実質無借金経営の企業です。

これは安定したストック収入を得ることができていることから実現できました。

今後、さらにプラットフォームを強固なものにすることで、新規会員によるフロー収入とストック収入の安定的な成長を見込めます。

また、当社は盤石な財務体質をもとに、開発投資のみならず、株主の皆様や従業員への還元も適切に行っていきます。

例えば、従業員に関しましては全社員に対して来年から基本月給3万円のベースアップを実施します。

新卒初任給は大卒で31万円になり、これは業界の中でも非常に高い水準です。

内外ともに確りとキャッシュフローを回すことができているので、安定した会社だと自負しています。

株式会社Robot Home 2023年12⽉期第3四半期 決算説明資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

先にも申し上げましたが、当社のビジネスモデルは安定しています。

また、今後の不動産業界におけるDX推進も担うリーディングカンパニーでもあります。

長期的な投資にも向いていると思いますので、是非ご支援のほどよろしくお願いします。

株式会社Robot Home

本社所在地:〒104-0061東京都中央区銀座7-4-15(総合受付11F)

設立:2006年1月23日

資本金:7,470,000,000円※資本余剰金を含む(2023年12月アクセス時点)

上場市場:東証スタンダード市場(2015年12月3日上場)

証券コード:1435

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

・本サイト「資産運用ナビ」はアドバイザーナビ株式会社が運営しております。
・本サイトに掲載される情報に関しては、最大限の注意を払っておりますが、金利、手数料、その他商品情報の完全な正確性や信頼性を保証するものではありません。
・本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

目次