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【退職金のもらい方】税金対策と受け取り条件を徹底解説

この記事で解決できるお悩み
  • 退職金の受け取り方をが知りたい
  • 退職金にかかる税金をおさえたい
  • 退職金がもらえなかった場合の対処法を知っておきたい

長年の勤労に対する報酬として受け取る退職金だが、そのもらい方には大きく2つの方法があることをご存じだろうか。

また退職金には税金がかかるが、このもらい方によっても課税の仕組みが変わることは退職後の資金計画にも関わるため知っておくべきであろう。

本記事では、退職金の受け取り方、それに伴う税金の対策、および受け取った退職金の基礎知識と活用法について、詳しく解説する。

退職金に関する疑問を解消し、賢く管理できるようになるためにも、ぜひ最後まで読んでほしい。

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目次

退職金のもらい方

企業に長く勤めてきた対価として受け取る退職金だが、どのような計算で金額を算出するのだろうか。

また、退職金は大きく分けて2つの受け取り方があるが、どういった点に違いがあるのだろうか。

ここでは、退職金の計算方法や2種類の受け取り方とその違い、退職金がもらえない場合の対処法について解説していく。

退職金の計算方法

退職金の計算方法は企業によって異なるが、一般的には以下の4つの仕組みで計算される。

定額制勤続年数に応じて支給金額が決定される仕組み
基本給連動型勤続年数と退職時の基本給をもとに計算される仕組み
ポイント制基本給や役職、勤続年数、退職理由などをポイントに換算し、退職時点のポイント数に応じて金額が決定される仕組み
別テーブル制勤続年数ごとの基準額を設定し、役職や退職理由をかけ合わせたテーブル(表)を作成して金額を決定する仕組み

いずれのパターンであっても、退職金の支給金額には勤続年数が影響していることが分かる。

退職金規程などをチェックし、勤め先の企業でどういった計算方法を採用しているのかを確認しておこう。

退職金のもらい方は大きく分けて2種類

退職金の受け取り方は大きく分けて以下の2種類が挙げられる。

  • 退職一時金
  • 退職年金

退職一時金は、全額を一括で受け取る方法である。

一時金で受け取る場合は「退職所得」として扱われ、大きな控除が適用される点が特徴だ。

退職一時金の控除については後ほど詳しく解説する。

一方の退職年金は、年金形式で分割して受け取る方法である。

年金形式の場合は「雑所得」として扱われ、一時金で受け取る場合に比べて税金面での負担が大きくなりやすい。

しかし退職年金はまだ受け取っていない分の退職金を金融機関が運用するため、一時金に比べて受け取れる金額が増える点がメリットとして挙げられる。

なかには退職一時金・退職年金を併用できるケースもあり、選べるパターンは企業によって異なる。受け取り方による違いを把握し、退職後の資金計画に役立てよう。

退職金がもらえない場合の対処法

退職金制度が会社で設けられており、支給条件を満たしているにもかかわらず支給されないのは違法である。

会社側に法的な問題があり、労働者側には退職金を請求する正当な権利がある。

まず、会社の担当部署に自分が退職金支給の対象となっていることを伝え、支払いを求めるところから始めよう。

勤続年数が分かる書類や契約書など証拠となるものを準備しておくと良い。

もし、請求手続きをしても会社側が応じない場合は弁護士などに相談することをおすすめする。

会社との交渉を代行してもらったり、裁判などの手続きを進めてもらったりして退職金の請求手続きを進めよう。

なお、退職金が未払いの場合の時効は5年となっており、時効を過ぎると受給する権利を失ってしまう。

退職金が支給されない場合は早めに弁護士に相談し、手続きを進めよう。

退職金にかかる税金を抑えるもらい方 

退職金は額面の金額がそのまま受け取れるわけではなく、所得税・住民税が引かれた後の金額を受け取ることとなる。

税金の仕組みや手取り額の計算方法を把握した上で、退職後の資金計画を立てていこう。

ここでは、退職金に課税される税金の内容や手取り額の計算方法、税金を抑える受け取り方のポイントについて解説していく。

退職金に課税される税金の内容

退職金に課税される税金は「所得税」「住民税」の2つである。

いずれも「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していれば、確定申告をしなくても源泉徴収で引かれる仕組みとなっている。

所得税は1年間の収入から控除を差し引いた金額である「所得」に税率をかけることで算出される仕組みだ。

退職所得については「分離課税」という仕組みが設けられており、ほかの所得とは分けて税額が計算される。

住民税は前年の所得に応じて負担する「所得割」と所得にかかわらず一定額を負担する「均等割」が課税される。

住民税も所得税と同様、ほかの所得とは分けて税額が計算される仕組みだ。

退職金の手取り額の計算方法

退職金の税額は「(退職金-退職所得控除)×1/2」の計算式で求められる課税所得金額に税率をかけて算出される。

計算式の中にある退職所得控除は以下の計算式で求められる。

  • 勤続年数20年以下
    • 40万円×勤続年数
  • 勤続年数20年超
    • 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

仮に勤続年数が30年だった場合、退職所得控除は「800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円」となる。

退職金が2,000万円であれば「(2,000万円-1,500万円)×1/2=250万円」が課税される金額だ。

課税所得金額を求めたら、次に以下の表に記載された税率・控除額をもとに所得税額を計算する。

スクロールできます
課税所得金額税率控除額
1,000円〜1,949,000円まで5%0円
1,950,000円〜3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円〜6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円〜8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円〜17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円〜39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円
出典:国税庁「退職金と税」

先ほどのケースでは、税率10%・控除額97,500円となるため所得税額は「250万円×10%-97,500円=152,500円」だ。

一方、住民税は一律で税率10%となるため、先ほどのケースでは「250万円×10%=250,000円」が住民税額となる。

退職金の手取り額は「2,000万円-152,500円-250,000円=19,598,000円」となる。

税金を抑えるもらい方

税金を抑えて退職金を受け取るポイントとして以下の2点が挙げられる。

  • 一時金で受け取る
  • 勤続年数を長くする

前述の通り、退職金は一時金または年金で受給できる。

税金の面だけで考えると、退職所得控除が適用される一時金形式の方が負担を抑えられる。

一時金形式で受け取る場合、年金形式に比べて受け取り総額は少なくなってしまう。

しかし自分自身で退職金の運用を行い、上手く増やすことができればデメリットも解消できる。

一時金形式で受け取って税負担を抑えつつ、効果的な運用で退職金を増やすことを目指すと良いだろう。

また、退職所得控除は勤続年数が長くなるほど増える仕組みとなっている。

退職金から差し引ける金額が増えるため、税金を抑えたいのであれば長く勤めた方が有利と言えるだろう。

もちろん早期退職をして第二の人生を歩むプランを設計している場合、無理に長く勤める必要はない。

しかし退職後のプランが定まっておらず、税金の負担を減らしたいと考えている方は少しでも長く勤めることを視野に入れておこう。

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もらった退職金はどのように活用するべきか

長年の労働の対価として受け取る退職金はまとまった金額となるため、活用方法を検討している方も多いだろう。

退職後の生活を安定させるためにも、退職金は投資を活用した運用に回すことをおすすめする。

ここでは、退職金を運用する重要性や運用の基本原則、おすすめの運用方法について解説していく。

退職金を運用する重要性とは

退職金を運用すべき理由として以下の2点が挙げられる。

  • 退職後に残されている人生が長い
  • 物価上昇のリスクがある

近年は「人生100年時代」とも言われており、退職後の第二の人生も長くなってきている。

実際、厚生労働省の「令和4年簡易生命表」によると、平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳である。

退職後の人生が長いということは、その分支出も増えるということだ。

「老後2,000万円問題」が話題となったように、公的年金だけではカバーしきれない分を退職金の運用によって準備していく必要がある。

また、物価が上昇することで生活費の負担が重くなっていく可能性もある。

物価が上昇すると相対的に現金の価値は低下してしまうため、退職金を現金・預貯金のまま持っていても資産価値が下落していく。

物価の上昇に追いつくためには投資を活用した運用が不可欠だ。

長い退職後の生活を安心して送っていくためにも、退職金の運用を検討してみよう。

退職金運用の基本原則とリスク管理の方法

退職金を運用する際、最も重要となるのが「増やすことよりも減らさないことを意識する」という点だ。

リスクを取ってリターンを狙いに行くのではなく、堅実な運用でなるべく資産を減らさないように心掛けよう。

公的年金が主な収入源となる退職後は、現役の頃よりも収入が減ってしまうケースが多い。

仮に退職金運用に失敗して大きな損失が発生した場合、生活に影響が生じる可能性もあるだろう。

大きく増やそうとするのではなく、安全かつ堅実に運用していくことが重要だ。

そして退職金を運用する際のリスク管理の方法としては以下の2点が挙げられる。

  • 投資先を分散させる
  • 低リスクな資産の比率を増やす

まず、投資先を複数に分けて運用していくことが重要だ。

分散させておくことで投資先のひとつが下落してもダメージは小さく済み、ほかの投資先のリターンで相殺できる場合もある。さまざまな投資先に資産を分け、リスクを分散させておこう。

また、資産全体における低リスク資産の比率を高めることも重要だ。

特に債券は比較的安全性が高く、大きな損失が発生する危険性が低いとされている。

債券の比率を増やし、反対にリスクが大きい株式は比率を減らして運用しよう。

おすすめの運用方法

退職金の運用方法として以下の3つがおすすめだ。

  • 個人向け国債
  • 投資信託
  • 不動産投資

個人向け国債とは、国が個人を対象に発行している債券のことだ。

1万円から購入でき、安全性が高い投資先であるため、堅実に運用したい方におすすめだ。

ただし、利率は低いため資産を増やすことには向いていない。

資産の一部を個人向け国債にして安全な運用を行いつつ、もう少し利回りが高い投資先でリターンを狙いに行くと良いだろう。

投資信託は、運用の専門家に資金を預けて代わりに投資をしてもらう仕組みの金融商品だ。

複数の株式や債券等に分散投資を行うため、1つの投資信託を購入するだけで分散効果が得られる。

投資信託は株式のみで運用されていたり、債券などが組み込まれていたりと商品によって特徴が異なる。

なるべく債券が組み込まれた投資信託を活用し、リスクを抑えた運用を行おう。

不動産投資は、土地や建物などを購入して第三者に貸し出し、家賃収入などを得る投資法である。

安定した家賃収入が継続的に得られる点が大きな魅力だ。

ただし入居者がいないと収益が得られないリスクがある点には注意が必要である。

また、退職金だけで物件を購入できない場合、金融機関でローンを組む必要がある点も頭に入れておこう。

退職金のもらい方や管理・運用の相談はどこにするべき?

退職金の運用方法を紹介してきたが、投資に慣れない初心者の方が運用を始めるのはハードルが高いだろう。

退職金運用は資産運用の専門家に相談し、適切なアドバイスをもらうことをおすすめする。

ここでは、退職金運用における専門家の重要性や信頼できるアドバイザーの見分け方、アドバイザー検索サービス「退職金ナビ」の活用方法について解説していく。

退職金のもらい方や管理・運用における専門家の重要性

退職金のもらい方や管理・運用を専門家に相談すべき理由として以下の2点が挙げられる。

退職金の管理・運用を専門家に相談すべき理由
  • 投資詐欺などのリスクを回避できる
  • 自分に合う運用戦略を提案してもらえる

投資経験がなく、知識もあまりない人は悪徳業者の投資詐欺に騙されてしまうリスクがある。

悪徳業者側も退職金の受給によってまとまった資金を持っている人をターゲットとしているケースが多いため、適切に管理・運用しなければならない。

信頼できる専門家に退職金の管理・運用の相談を行えば、投資詐欺の被害を回避することができる。

安全性が高く、信頼できる投資先を提案してもらえるため、大切な退職金を守ることができるだろう。

また、自分に合った適切な運用戦略を提案してもらえる点も専門家に相談すべき理由として挙げられる。

退職金の運用は、資産の状況や退職後のライフプラン、家族構成などさまざまな要素によって戦略が変わってくる。

自分が置かれている状況に合った最適な運用戦略を提案してもらえる点は専門家に相談する大きなメリットだ。

「退職金を運用したい」「今まで投資をしたことがない」という方は、ぜひ信頼できる専門家に相談してみよう。

信頼できるアドバイザーの見分け方

信頼できるアドバイザーを探すためのポイントとして以下の2つをチェックしておこう。

  • アドバイザーの経歴・実績
  • メインとしている顧客の属性

まず、アドバイザーがどういった経歴・実績を持っているのかを確かめておこう。

銀行や証券会社での勤務経験があったり、アドバイザーとして数多くの顧客を担当していたりするアドバイザーは高度なスキルを有している可能性が高い。

保有資格などもチェックし、大切な退職金の運用相談を任せられる相手かどうかを確かめよう。

また、アドバイザーが対応しているメインの顧客属性もチェックが必要だ。

自分と似たような資産状況の顧客からの相談に多く対応しているアドバイザーを見極めよう。

例えば、受け取った退職金2,000万円を運用しようと考えている人が「金融資産1億円以上」の顧客をメインとしているアドバイザーに相談しても、最適なアドバイスを得られない可能性がある。

同じような資産状況の顧客をメインとしているアドバイザーに相談する方が悩みを解決できる可能性が高い。

上記2点を踏まえ、信頼して相談できるアドバイザーを探し出そう。

「退職金ナビ」の活用方法とメリット

退職金運用の相談先をお探しの方は「退職金ナビ」の活用をおすすめする。

退職金ナビ」とは、老後の資産形成を検討中の方とアドバイザーをマッチングさせるサービスのことだ。

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資産状況や運用目的、性格などを踏まえた最適なアドバイザーを自動診断し、紹介する仕組みだ。

また、紹介したアドバイザーの経歴や得意分野、保有資格などのプロフィールを事前に確認することもできる。

紹介された中から相談したいアドバイザーを選ぶことができ、納得した上で面談を申し込むことができる。

アドバイザーの紹介は全国47都道府県どこでも対応でき、WEBや好きな場所で面談可能だ。

紹介料やマッチング後の相談費用も一切不要、何回でも相談できる点が大きな特徴となっている。

信頼できる相談先をお探しの方は、ぜひ「退職金ナビ」を活用して自分に合うアドバイザーを探してみてはいかがだろうか。

退職金のもらい方を工夫しよう

退職金にかかる税金を抑えるためには、受け取り方別の課税関係や控除の仕組みを理解した上で最適な選択を行う必要がある。

安定した老後の生活を送っていくためにも、退職金の受け取り方や運用方法をしっかりと計画しておこう。

また、退職金の管理や運用に関して疑問や不安な点がある場合は専門家からアドバイスを受けることをおすすめする。

退職金ナビ」では、中立な立場からあなたに最適なアドバイスを提供してくれるアドバイザーを無料で探すことができる。

ぜひこの機会に「退職金ナビ」を活用し、あなたに合った信頼できるアドバイザーを探してみよう。

退職金のもらい方に関するQ&A

退職金をもらうための最低勤務年数はどのくらいですか?

退職金を受け取るための勤務年数には明確な決まりはなく、企業によって対応が異なる。

一般的には「勤続年数3年以上」から受給できるケースが多い。

退職金の税金はいつ払いますか?

退職金が支払われる前に「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していれば、確定申告をしなくても税金は源泉徴収される。

退職金が支給された時点で税金が引かれているため、個別に納税する必要はない。

ただし、生命保険料の支払いやふるさと納税の利用などがあった場合、所得控除によって還付を受けられる可能性がある。

所得控除が適用される場合は確定申告をして還付を受けよう。

退職金がない会社での対応策はありますか?

退職金がない会社で老後資金を準備する方法として以下の2点が挙げられる。

  • 退職金制度がある会社に転職する
  • 私的年金などを活用して自分で準備する

勤めている会社に退職金制度が設けられていない場合、退職金制度がある会社に転職することで老後の資産準備がしやすくなる。

老後の生活を考えたときに不安を感じる場合は転職活動を視野に入れると良いだろう。

容易に転職できる状況にない場合は、個人年金保険やiDeCo(個人型確定拠出年金)などを活用して自分で老後資金を準備しよう。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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