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【4396】株式会社システムサポート 事業概要と成長戦略に関するIRインタビュー

※本コラムは2024年2月14日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社システムサポートはクラウドインテグレーション事業を中心に、ITシステムのコンサルティング・設計・開発・保守などの事業を展開しています。

代表取締役社長の小清水良次氏に事業戦略の変遷や今後の成長方針を伺いました。

目次

株式会社システムサポートを一言で言うと

社員の84%が技術者であり、お客様の課題に対してITで新しい価値を創造する会社です。 

システムサポートの沿革

株式会社システムサポート代表取締役社長 小清水良次氏

創業経緯

創業は1980年で石川県金沢市を拠点に始まりました。

私は二代目社長で、社長就任の1994年から今年で30年目を迎えています。

特に1991年ごろから始まったバブル崩壊、その後のITバブル崩壊も大きく打撃を受けました。

この時期は累積損失を背負いながら、金融機関の支援を得られない中で企業再生を行いました。

そして事業転換や経費削減、業務効率化を経て黒字化に成功し、上場を目指しました。

事業成長と上場

2018年8月の上場までは長い年月がかかりました。

当社は2000年に黒字化し、石川県のベンチャー大賞を受賞し、その後はIPOに向けた準備を進めました。

そして上場するのであればマザーズではなく東証一部を目指したいと考えた結果、マザーズから最短で東証一部に昇格し、最終的にプライム市場に上場しました。

現在、社員数は1,348名で2024年4月からは新たに106名の新入社員が加わる予定です。

また東京には698名の社員がおり、全体の約半数を占めています。

さらに名古屋、大阪、金沢、シリコンバレー、バンクーバーにも拠点を構え、国内外合わせて1,348名の社員が当社を支えています。

株式会社システムサポート 中期経営計画 ローリングプラン(2024年6月期~2026年6月期) より引用

システムサポートの事業の概要と特徴

概要

5つのセグメントに分類され、クラウドインテグレーション事業、システムインテグレーション事業、アウトソーシング事業、プロダクト事業、そして海外事業があります。

クラウドインテグレーション事業

このセグメントでは、クラウドサービスの導入や移行支援を主なサービスとして提供しています。

顧客企業のニーズに合わせたクラウド環境を構築し、ビジネスの効率化とスケーラビリティの向上を実現します。

株式会社システムサポート 2024年6月期第2四半期 決算補足説明資料 より引用

システムインテグレーション事業

システムインテグレーション事業では、顧客の要求に応じたシステム開発を行います。

これには、アプリケーション開発からシステムの保守・運用まで、幅広いサービスが含まれます。

株式会社システムサポート 2024年6月期第2四半期 決算補足説明資料 より引用

アウトソーシング事業

アウトソーシング事業では、自社グループによるデータセンターサービスや、IT運用の外部委託サービスを提供しています。

これにより、顧客はコスト削減と運用の効率化を実現し、コアビジネスにより集中できるようになります。

株式会社システムサポート 2024年6月期第2四半期 決算補足説明資料 より引用

プロダクト事業

プロダクト事業では、自社開発のソフトウェア製品やシステムを市場に提供しています。

これらの製品は、特定の業界やビジネスプロセスに特化しており、顧客の課題解決に貢献します。

株式会社システムサポート 2024年6月期第2四半期 決算補足説明資料 より引用

海外事業

海外事業では、アメリカとカナダに拠点を持ち、主に北米に進出している日系企業に向けて、システムインテグレーションやアウトソーシングサービスを提供しています。

株式会社システムサポート 2024年6月期第2四半期 決算補足説明資料 より引用

事業における優位性

高い技術力と専門性

当社の事業を支えるクラウドインテグレーション事業では、ServiceNow、AWS、Microsoft、Googleなどのクラウドサービスへの深い専門知識と技術力が発揮されています。

これらのプラットフォームに関する深い理解と実装能力が、顧客からの信頼と事業の成長を支えています。

またServiceNowの認定資格数が日本で3位となるなど、業界内で高いレベルの技術者を多数保有しています。

そして当社は独立系企業としての強みをさらに強化するために資格取得支援への投資を行い、社員の専門性と企業の競争力を高めています。

そのため社員のリスキリングやスキルアップなど、市場価値を高める機会が確保されており、業界平均を大きく下回る退職率を実現しています。

株式会社システムサポート 2024年6月期第2四半期 決算補足説明資料 より引用

独自性とカスタマイズ可能なサービス

システムインテグレーション事業では、分野では特にSAP ERPやOracle Databaseに強みがあり、数多くの技術者が在籍しています。

また当社のアウトソーシング事業は、その独自性と顧客ニーズへの対応力に強みがあります。

ここでは大きく分けてデータセンタービジネスとニアショア1によるアウトソーシングサービスを行っています。

データセンタービジネスでは、顧客にオーダーメイドのサービスを提供することで、様々なニーズに対応しています。

ニアショアでは首都圏の企業から、SAPの保守・運用を中心に金沢で業務委託を受けています。

このサービスは、コスト削減や業務効率化の観点から非常にニーズのある分野です。

システムサポートの中長期の成長イメージとそのための施策

海外ベンダーとの連携強化

当社はクラウドインテグレーション事業のAWSやMicrosoft Azureにおいて、オラクルをはじめとしたデータベースのクラウド移行の分野に強みがあります。

データベースをクラウドに移す作業は技術的に非常に難しいとされる中、当社は過去よりオラクルデータベースの分野で技術者が多く、さらにクラウド基盤への知見も豊富です。

このためAWSのみならず、マイクロソフトやグーグルといった他のクラウドプロバイダーからも高い評価を受けています。

今後はクラウド移行分野における深い専門知識と技術力を武器に、事業を成長させていこうと考えています。

株式会社システムサポート 中期経営計画 ローリングプラン(2024年6月期~2026年6月期) より引用

継続的な人的資本投資

当社の社員でクラウド技術に特化した人材は社内で育成する場合もありますし、中途採用者においても、新しい技術領域に挑戦したいという意欲的な人材がシステムサポートに集まっており、社員が自ら学び成長する文化が根付いています。

当社では新しいフィールドや技術への探究心を持った人材を重視し、そのポテンシャルを最大限に引き出すための支援を惜しみません。

今後も、持続的な成長の基盤を確かなものにするために技術力の高いサービス提供と共に、社員一人ひとりの成長とキャリア開発にも力を入れていきます。

株式会社システムサポート 中期経営計画 ローリングプラン(2024年6月期~2026年6月期) より引用

SDGsへの取り組み

SDGsへの取り組みはプライム企業として非常に重要な課題だと考えています。

環境面では、IT業界に属する我々は、工場運営や自動車による運送のような直接的なCO2排出源を持ちませんが、具体的な取り組みとして、金沢における自社オフィスでは地元の北陸電力が提供する水力発電の電力を利用する契約を行っています。

今後は事業の成長のみならず環境に配慮したビジネスの展開を目指し、持続可能な社会の実現に貢献していく方針です。

株式会社システムサポート 中期経営計画 ローリングプラン(2024年6月期~2026年6月期) より引用

注目していただきたいポイント

注目していただきたいポイントとして、特に配当政策と将来の成長戦略があります。

当社では、利益の増加に伴い、配当も年々増加させており、配当性向は約33%前後を目安としています。

さらに、足元では新しい取り組みとして、直近の当社の成長を支えてきたServiceNowに続くビジネスを創出するための種まきを複数のサービスにわたって行っています。

これらの新しいプロジェクトはまだ初期投資の段階で、大きな成果には至っていないものの、将来的には当社の成長に貢献すると期待しています。

今後も安定した事業基盤の下、将来に向けた投資を継続して行っていきます。

株式会社システムサポート 中期経営計画 ローリングプラン(2024年6月期~2026年6月期) より引用

投資家の皆様へメッセージ

当社は安定的に成長しており、これまで計画してきた目標は確実に達成してきました。

当社の事業展開は非常に幅広く、生成AIなどの新技術に対しても積極的に投資をしていきます。

投資家の皆様には当社の持続可能な成長性に期待していただき、今後ともご支援いただければと思います。

株式会社システムサポート

本社所在地:〒920-0853 石川県金沢市本町1-5-2 リファーレ9F

設立:1980年1月29日

資本金:7億23百万円(2024年3月アクセス時点)

上場市場:東証プライム市場 (2018年8月2日上場)

証券コード:4396

  1. 既存の事業拠点からその国の国内の他の地域に(日本であれば主に大都市圏から地方都市に)事業を移転すること。
    出典:ニアショアリング – Wikipedia ↩︎

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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