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【9256】株式会社サクシード代表取締役社長 高木毅氏「学習塾運営と教育・福祉への人材サービス。日本の教育によい未来を」

※本コラムは2023年1月13日に実施したIRインタビューをもとにしております。

個別指導塾の経営に始まり、家庭教師紹介、教育・福祉業界向けに人材サービスを展開している株式会社サクシード。

代表取締役社長の高木毅氏に、事業領域の選択の背景や今後の成長戦略について教えていただきました。

目次

株式会社サクシードを一言で言うと

教育と福祉の社会課題を解決し、より良い未来を創造する会社です。

我々は沿革からも学習塾の運営会社に見られがちですが、教育現場の環境整備を通じた少子化対策および教育の質の向上を、創業当初から取り組もうと考えてきました。

一例をあげると、現在学校教育の現場では教員志望者の減少などで労働環境が悪化する一方で働き方改革がうたわれ、外部の人材を有効活用する以外に労働環境と教育の質の双方を高める道は無いものと考えています。

適切な外部委託の活用は教員の本業支援という観点からも今後拡大すると見ており、このマーケットを一手に引き受けようとしているのが当社であります。

創業の経緯

学習塾からスタートした会社でした。今少子化が騒がれていますが、やはりこどもの教育が日本の国力を高めるうえで一番重要と考え、こどもの教育に関わる仕事がしたいという思いから創業しました。

元々勤めていた会社は家庭教師を派遣する会社でして、そこでは個別指導の重要性や、市場のニーズを強く感じていました。当時から、個別指導塾の存在はその成長率からしても家庭教師にとって脅威でした。また、家庭教師による一対一の指導形態には人気がありましたが、ご家庭にとってはコストがかかるというのがネックでもありました。

できれば個別に指導を受けたいが、家庭教師ではコスト負担が重くなってしまうというお悩みを抱えていた層に対して需要が伸びたのが個別指導塾であり、このマーケットは今後も拡大すると考えて事業を立ち上げました。

その後、家庭教師の紹介サービスや、保育士など福祉の現場向けの人材サービスにも事業を拡大し、家庭教師はオンライン指導にも対応しています。

個別指導塾の事業を展開するにあたって一番の資源は人でありますが、人材を集めるときに痛感したのは良い講師を集めることの重要性と難しさです。

この事業をさらに拡大するためには、自社の個別指導塾で活躍してもらうだけでなく家庭教師として活躍してもらったり、他社の塾にも人材を紹介するサービスを行うことで、大量に募集費を投下して多くの人材を集めることが必要だと考え、教育業界向けの人材サービスを開始しました。

株式会社サクシード 会社説明資料 より引用

事業内容について

学習塾と家庭教師を中心とした自社ブランドサービスと外部向けの人材支援サービスに大別されます。

株式会社サクシード 会社説明資料 より引用

個別指導塾は先生1人に対して生徒3人のスタイルをとっています。というのも、授業中、教師は生徒が問題を解いているのを見ていることが多く、「教える」という行為をしていない時間が長くなっているのが実情なのです。我々はここに着目し、教師の時間を有効活用することで効率よく生徒に教えていただきつつ、人件費を削減することに成功しました。

この生徒3人に対して教師1人という比率は、個別指導という指導形態を崩すことなく複数人の生徒を同時に見ることができるちょうどよいバランスになっています。

もう一つの主な事業である外部向けの人材支援サービスにおいては、細かいニーズごとに分けた募集媒体により、求職者、そして人材を欲しているクライアント側双方の多様なニーズに応えることを可能にしています。事業展開の過程でウェブ系の運営会社のM&Aを実施し、スピーディーかつ専門的にLPを作る体制を整えることができました。

また、制作から運用までの工程を全て内製化しておりますのでコストを抑えることが可能ですし、内製化しているからこそ、細かいニーズに沿うことや、社員のアイデアをすぐさま実行に移す柔軟性にも繋がっています。

株式会社サクシード 会社説明資料 より引用

このように個別指導塾の運営、家庭教師の紹介、および教育・福祉の現場への人材サービスを同時に行っていることを、我々は「ポートフォリオ経営」と呼んでいます。どれか一つを単体で扱う企業は多数ありますが、同時に進めている企業は他にはなく、これこそが他社との差別化要因であります。

クライアントが多岐にわたっているため、求職者に多様な職種の求人を提示することができますし、クライアントにとっても多種多様な人材の中から、需要に最もマッチした人を採用することが可能となります。そしてこのデータベースを拡充し、周辺ビジネスに領域をさらに広げていくことが求職者・クライアントの双方にとって更なるメリットになると考えています。

また、教育・福祉業界に特化してきたことで、就業意欲が高く、結果として離職率が低い方々のデータベースを保有していることも我々の強みと言って良いでしょう。

株式会社サクシード 会社説明資料 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

個別指導塾の出店についてはドミナント戦略を継続し、横浜市・川崎市を中心とした神奈川県への出店を継続します。さらに今後は首都圏周辺のニュータウンへも出店を進める計画です。

これは人口増加エリアで運営をしたいという狙いと、そこには教育熱が比較的高い方々が多く居住しているという条件がそろっているためです。

個別指導塾を開業するにあたって重要なのは講師を集めることでありますが、我々の強みはまさに豊富な人材であるため、この点は今後も大きな優位性となります。

株式会社サクシード 会社説明資料 より引用

また、コロナウイルスの蔓延を受けてオンライン家庭教師の需要が拡大しておりますが、我々としてはオンライン、対面の両方を伸ばしていきたいと考えています。オンラインの場合、距離的な障壁がなくなりますので、事業開始当初は自宅や学校の近くに塾がない地方の生徒が増えると見込んでいました。

ですが実際には自分の志望校出身の先生に見てもらいたいといった要望など対面の家庭教師で対応が難しいニーズが数多くあり、都心の生徒も増えてきています。また、そのような細かいニーズに合った先生もオンライン形式だとマッチングしやすいのです。

ただ、やはり対面で教えていただきたいというご家庭もありますので、対面の需要がなくなることはないだろうと考えています。

教育分野では昨今EdTechが注目を集めていますが、実際のところ生徒たちの学習効率を劇的にあげるというところまでは至っていません。環境の整備ができても、それを実際に運用するのは「人」ですし、やはりface to faceでないとできないことも多々あります。

そのため、我々は「人」にフォーカスして事業を展開していこうと考えているのです。ただ、将来的にはテック系の企業と連携して、今まで蓄積されてきた学習データを活用することも検討しています。

足元でもそのような需要は増えつつあり、この先さらに加速していくのではと見込んでいます。

株式会社サクシード 会社説明資料 より引用

外部向け人材派遣において、これまでは保育園を増やそう、受け入れ児童数を増やそうという考えで行政が手を打ってきたことで、現在待機児童は減少しつつあり、今後は量より質が重要視されると予想されています。ですが、転職マーケットという観点からは、待機児童数と転職の関係はあまりなく、転職マーケットは当面活況であると考えています。

以前、保育園の待機児童問題が特に騒がれていた年代の子どもたちは今小学生になっており、今度は新たに学童の待機児童問題が顕在化しています。まさに行政も学童保育の受け入れ数を増やしている最中なのですが、このような事業に対しても我々はサービスを提供しています。

資格が必要で供給が難しく社会として不足しているような人材が必要となるような職種に対しても、これまでに蓄積されたデータベースによって対応することができます。

現在、教育や福祉を取り巻く環境は変化を続けていますが、我々は「臨機応変」をモットーにしており、今までの常識やビジネスモデルに固執しすぎないようにしています。

外部環境の変化を的確にとらえ、それに合わせるようにして形が変わるのは当たり前だと考えていますし、このような機動力と柔軟性が当社の中長期的な成長を実現すると考えています。

株式会社サクシード 会社説明資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

「教育は国家100年の計」と申します。教育というものは短期的に見ると僅かな変化しか見えないかもしれませんが、長期的な視点でしっかりと着実に取り組むべき国策であります。

そしてその教育現場の環境を改善し、教育の質を高めたいという思いを我々は強く持っています。責任は重く、簡単なことではありませんが、結果として大きなマーケットを取り込むこともできると考えていますので、ぜひ応援していただけますと幸いです。

株式会社サクシード

本社所在地:東京都新宿区高田馬場1-4-15 大樹生命高田馬場ビル8F

設立:2004年4月

資本金:333,100千円(2022年9月30日現在)

上場市場:東証グロース(2021年12月22日上場)

証券コード:9526

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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