- 野村證券で人気の投資信託が知りたい
- 野村證券の投資信託の売上ランキングが知りたい
- どの投資信託を選べば良いか迷っている
日本を代表する大手証券会社として、真っ先に名前が上がるのは野村證券だろう。
幅広い金融商品を取り扱っており、新NISAのスタートで注目が集まる投資信託は、1,100本を超える豊富なラインナップで投資家のニーズに応えている。
本記事では、野村證券の投資信託ランキングという切り口で、人気の投資信託を複数紹介する。
さらに、ランキングを活用した賢い投資信託の選び方についても触れる。
ぜひ、ご自身の投資判断に役立てていただきたい。
野村證券のような対面証券のおすすめもこちらにまとめておいたので、興味のある人はぜひチェックしてほしい。
野村證券の投資信託ランキング
さっそく、野村證券が発表する投資信託ランキングを紹介しよう。
対象は、同社の野村MRF、ノムラ外貨MMF、外国投資信託等を除く取り扱いファンドである。
野村證券の資金流入ランキング
資金流入額は、投資家がファンドに投資した金額を示し、ファンドの人気度や投資家の関心を表す重要な指標である。
基準日(2024年6月10日)時点の資金流入額の上位3ファンドは、以下のとおりとなった。
いずれも純資産額が大きく、人気が一時的なものでないと伺える。
順位 | 名称 | 月次資金流入額 | 半年資金流入額 | 純資産額 |
---|---|---|---|---|
1位 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 2,014.41億円 | 12,567.13億円 | 35,792.40億円(2位) |
2位 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 1,611.56億円 | 9,356.17億円 | 47,519.01億円(1位) |
3位 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース 毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型 | 1,027.16億円 | 4,445.35億円 | 29,227.69億円(3位) |
月次・半年の1位と2位は、eMaxis Slimシリーズが占めた。
低コストでグローバルな分散投資を可能にする点が、多くの投資家に評価されていると考えられる。
1位と3位は、米国株式に投資する為替ヘッジなしのファンドとなっている。
米国株式市場の好調期待と、円安継続による為替差益獲得への期待が背景にあると推測される。
野村證券のリターンランキング
基準日(2024年5月末)における、高リターンの上位3ファンドは、以下のとおりであった。
順位 | 1年 | 3年 | 5年 |
---|---|---|---|
1位 | DWSロシア・ルーブル債券投信 (年2回決算型)(221.61%) | 日本株厳選ファンド・メキシコペソコース(236.37%) | 野村世界業種別投資シリーズ (世界半導体株投資)(615.98%) |
2位 | DWS ロシア・ルーブル債券投信 (毎月分配型)(221.39%) | オーロラⅡ (トルコ投資ファンド)(210.04%) | iFreeNEXT FANG+インデックス(500.22%) |
3位 | 楽天日本株4.3倍ブル(119.19%) | 野村世界業種別投資シリーズ (世界半導体株投資)(198.91%) | 楽天日本株4.3倍ブル(431.27%) |
地域(ロシア、メキシコ、トルコ等)やセクター(半導体)に特化したファンドや、レバレッジをかけたファンドが上位を占めた。
いずれもリスクが高いため、投資初心者にはあまりおすすめできないものである。
リターンのランキングを参考にする際は、「高リターンを叩き出す商品はリスクも高い」という点を忘れてはならない。
これらは、ボラティリティ(価格の変動)が高く、売買タイミングを図るのが難しい。
過去のリターンは将来の結果を予測するものではない。ファンドの運用方針や各種指標を併せて確認し、持続的な成長が期待できるかを判断することは不可欠である。
野村證券のシャープレシオランキング
基準日における、高シャープレシオの上位3ファンドは以下のとおりだ。
順位 | 1年(基準日: 2024年6月7日) | 3年(基準日: 2024年5月末) | 5年(基準日: 2024年5月末) |
---|---|---|---|
1位 | ドイチェ・ロシア東欧株式ファンド(3.36) | 三井住友・配当フォーカスオープン(2.09) | 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)(1.57) |
2位 | DWS ロシア・欧州新興国株投信(3.34) | 日本株厳選ファンド・メキシコペソコース(2.01) | ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)(1.52) |
3位 | 日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン・ファンド毎月分配型 (米ドルコース)(3.27) | 野村日本高配当株プレミアム(通貨セレクトコース)毎月分配型(1.96) | iFreeNEXT FANG+インデックス(1.48) |
シャープレシオとは、リスク1単位当たりのリターンを表す指標で、値が高いほど効率的な運用がなされていることを示す。
高配当株式ファンドや高利回り債券ファンドが上位にランクインしている。
安定的なインカムゲインを効率的に獲得する運用戦略によるものと評価できる。
ロシア、東欧、インド、メキシコなど、特定の新興国や地域に投資するファンド、および成長セクターへの集中投資するファンドが、リターンを効率的に獲得することで、高いシャープレシオを実現した。
野村證券でおすすめの投資信託にはどんな特徴があるのか
ここでは、2024年5月1日から28日の集計期間中に野村證券で「売れ筋」となったファンドの傾向を分析する。
順位 | 名称<運用会社> | リターン(3年) |
---|---|---|
1位 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型 (為替ヘッジなし)予想分配金提示型<アライアンス> | 77.71% |
2位 | 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)<野村アセット> | 198.91% |
3位 | eMAXIS S&P500インデックス<三菱UFJアセット> | 83.43% |
4位 | 野村インド株投資<野村アセット> | 74.30% |
5位 | フィデリティ・世界割安成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし) <フィデリティ> | 64.12% |
6位 | 野村インデックスファンド・日経225 愛称:Funds-i 日経225<野村アセット> | 39.42% |
7位 | のむラップ・ファンド(普通型)<野村アセット> | 25.69% |
8位 | フィデリティ・新興国中小型成長株投信 <フィデリティ> | –% |
9位 | eMAXIS 日経225インデックス<三菱UFJアセット> | 39.62% |
10位 | のむラップ・ファンド(積極型)<野村アセット> | 44.41% |
毎月分配型ファンドに人気が集まる
野村證券のランキングで一際目を引くのが「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース」の人気の高さだ。
同ファンドは、資産運用会社「アライアンス・バーンスタイン(AllianceBernstein)」が設定したファンドで、A〜Eの5種類がある。
決算回数と為替ヘッジの有無で種類が分かれ、Dは「決算12回で為替ヘッジなし」である。新NISA(成長投資枠)の対象はAとBのみ。
投資対象は、高い成長もしくは持続的成長が期待される企業であり、為替ヘッジを行わないため為替差益も期待できる。
1万口あたりの分配金額の予想値をあらかじめ提示する「予想分配金提示型」で、月1回の頻度で分配を行う(直近1年間の分配金合計額は2,900円)設計である。
キャピタルゲイン(値上がり益)を狙えるうえ、定期的な分配金が受け取れる設計となっている点が評価されたと考えられる。
比較的リスクの高いファンドが多い
新興国株式ファンドや、為替ヘッジなしのリスクが高めのファンドが売れ筋となっている。
たとえば、第4位の「野村インド株投資」は、インド株式に投資する追加型投信で、以下のような特徴を持つ。
- ボラティリティの高いインド市場に投資する。価格変動、為替、流動性リスクが高い
- 信託報酬は年2.2%と、他の新興市場ファンドや国際株式ファンドと比較するとやや高め
- ベンチマーク(MSCIインド・インデックス)に対してやや劣るパフォーマンス。1年リターンでベンチマーク +58.2%に対し53.2%、3年リターンでベンチマーク+107.4%に対し84.9%だった
野村アセット運用が5本ランクイン
野村證券はグループ内に野村アセット運用を擁しており、その商品の販売に力を入れている。野村ブランドの投資信託への信頼感が伺える。
2位の「野村世界業種別投資シリーズ」は、セクター特化型のアクティブファンドである。
世界各国の半導体関連企業に特化して投資することで、半導体市場の成長をダイレクトに取り込むことができる。
7位と10位には、「のむラップ」がランクインしている。
これは、米国で普及している投資一任サービス(ラップサービス)を参考に設計されたファンドシリーズで、5つの商品で構成される。
野村證券でのコンサルティングを通じて、リスク許容度に応じ、保守型、やや保守型、普通型、やや積極型、積極型から商品の選択を行う。
ランキング上位がおすすめとは限らない!野村證券であなたにあった投資信託を見つける方法
ランキング上位に位置する商品は、それぞれに人気の理由があり、魅力も大きい。
しかし、ランキングを鵜呑みにして商品を選んでしまうと、過大なリスクを背負うことになりかねない。
ここでは、自分に合った投資信託を選ぶことがなぜ重要なのかを整理したうえで、投資信託選びのポイントと、おすすめの投資信託について詳しく解説する。
なぜ自分に合った投資信託を選ぶべきなのか
ランキング上位のファンドは、必ずしも全投資家に適しているわけではない。
すべての投資家は、資産拡大を共通の目標とするが、「いつまでに」「どのくらいのリスクを負って」「どのくらいのリターンを目指すのか」はそれぞれ異なるからだ。
自分に合った投資信託を選ぶべき理由は、主に以下の3つである。
運用期間が違うから
短期的な投資を考える人と、長期的な資産形成を考える人とでは、適した商品が異なる。
長期的な視点で設計されたファンドなら、一時的な市場の変動に対しても安定した運用が期待できる。
リスク許容度が違うから
ランキング上位のファンドには、高リスク商品も含まれる。
自分のリスク許容度以上のリスクを取ることは、精神的な負担となり、投資の失敗リスクを高めてしまう。
投資目的が違うから
高い収益を追求する投資家と、安定的な資産形成を目指す投資家では、選ぶべきファンドが異なる。
人気となった背景を分析し、それが自分に合うかを確認しなければならない。
自分に適した投資信託を選ぶポイント
それでは、「自分に合った投資信託」はどのように選ぶべきなのだろうか。
ここでは、そのポイントを紹介していく。
投資目的および期間を明確にする
資産運用の目的は何か、いつまでにいくら必要なのかを明確にすることがスタートだ。
投資意思決定を行う際は、投資目的に沿っているかを常に確認することが不可欠である。
リスク許容度を把握し、リターンとバランスさせる
どの程度のリスクまで許容できるか、自身の投資スタンスを見極めよう。
そのうえで、それに見合ったリターンが期待できるファンドを選ぶことが大切となる。
過去のパフォーマンスデータやファンドの運用方針を確認して欲しい。
ポートフォリオ全体での位置づけを明確にする
投資商品を選定する際は、その商品が自身のポートフォリオの「どの部分に」「どのような役割で」組み入れるのかを考えなければならない。
ファンドについて学び、納得してから投資する
投資信託の商品性の確認と理解は、絶対に必要だ。まず、疑問が残るものには手をださないこと。
また、「似たような商品」は「同じ商品ではない」ことを理解すること。運用方針、投資手法、信託報酬等の手数料は必ず確認して欲しい。
野村證券でおすすめの投資信託
ここでは、投資家の経験や投資スタイルなどを仮定して、どのような投資信託が向いているか検討していこう。
リスクを回避したい投資初心者
リスクを回避しながら投資を始める初心者投資家には、以下のような商品が適している。
- 複数の資産クラス(株式、債券、REITなど)や地域に分散投資する商品
- 信託報酬や販売手数料が低いインデックスファンド
- 長期にわたって安定的な成績を上げているファンド
- リスクの低い保守型やバランス型のファンド
野村證券の担当者と相談しつつ選べる「のむラップ・ファンド(保守型)」は、株式の比率が低く、リスクを抑えた運用が特徴である。
また、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」もコストが低いインデックスファンドとしておすすめできる。
定期的な収入を確保したい投資家
定期的な収入を確保したい投資家にとって、以下の特性を持つ投資信託がおすすめだ。
- 分配金の支払い(決算)が多いファンド
- 高い分配金利回りを提供するファンド
- 債券やREIT(不動産投資信託)などに投資するファンド
たとえば世界各国の国債に投資することで、「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」は、信用リスクは比較的低く、長期的に安定したリターンが見込める。
また、長期的に安定した収益が期待できる資産クラスである米国のリートを投資対象とする、「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」も、選択肢の一つとなるだろう。
高いリターンを目指す経験ある投資家
リスクを許容できるため経験ある投資家なら、高リターンを追求するファンドの組み入れも検討に含めてみる
- 特定の地域や業種に集中投資するファンド
- 新興国株式や新興国債券に投資するファンド
- 高利回り(ハイイールド)債券に投資するファンド
- レバレッジ型や通貨選択型のファンド
たとえば、「アライアンス・バーンスタイン・新興国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」や「野村インド債券ファンド(毎月分配型)」など、新興国の株式や債券に投資するファンドは、高い成長性を背景に高リターンを狙える。
野村證券以外におすすめの相談先はある?資産運用の新たな選択肢とは
野村證券は信頼できる大手證券会社であり、投資信託購入においても頼りにできる。
しかし、すべての商品が投資家全員に合うわけではないのと同様に、野村證券の担当者やスタイルが万人に合うわけではない。
対面証券のコンサルティングには限界がある
野村證券のような対面証券会社では、コンサルティングにより投資家に最適な商品を提案してくれる。
しかし、対面証券の担当者は、自社の商品を中心に提案することが多く、選択肢が限定されるという限界がある。
また、担当者のスキルや知識が均一でないため、提供されるアドバイスの質に差が出ることも懸念材料だ。
最適な投資信託選びにはIFAがおすすめ
多くの選択肢の中から、投資家に最適な投資信託を選ぶのであれば、独立系ファイナンシャルアドバイザー「IFA」への相談をおすすめする。
IFAは、特定の金融機関に属さない資産運用のアドバイスを行う専門家だ。
広範な金融商品から最適なものを選び、投資家の個別ニーズに合わせたカスタマイズされたアドバイスを提供できる。
時間をかけて信頼関係を構築できるので、長期にわたる資産形成アドバイスが期待できるのだ。
良い相談相手探しの強い味方「資産運用ナビ」
とはいえ、日本でIFAはまだマイナーな存在だ。どうやって探したら良いか、わからないという方も多いだろう。
そんなときは、検索サービス「資産運用ナビ」にアクセスして欲しい。
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本記事では、野村證券の投資信託ランキングを題材として、商品特性や選ぶ際のポイントを解説した。
ランキング上位に位置する投資信託は、その集計期間に「売れた」あるいは「注目を集めた」商品である。
投資先選定のきっかけの一つとするのは良いが、人気があることのみを理由にして購入することは避けるべきであ る。
自分に合った商品を選定したいなら、ぜひ中立的立場からアドバイスするIFAのアドバイスを参考にして欲しい。
無料の初回相談を活用し、IFAのサポートを得ながら、納得のいく投資を実現していただきたい。