- 40代から老後資金をどう準備すべきか知りたい
- 老後資金がいくら必要か知りたい
- 老後資金を効率よく貯める方法を探している
人生100年時代といわれる現在、「長生きのリスクに備えるためには資産運用が重要」といわれることが多くなった。
しかし、「何から始めればいいのか分からない」という人も多いのではないだろうか。
約20年後には定年退職を迎える40歳は、老後資金について考えている人も多いだろう。
ただし、「40代から老後資金を準備する際のポイントを知りたい」「そもそも老後資金がどのくらい必要なのかわからない」と悩んでいるかもしれない。
年代別老後資金の賢い資産運用法については、この記事を参考にするといいだろう。
そこで本記事では、40代から老後資金の準備が必要な理由や必要な老後資金の見積もり方を紹介する。
老後資金を準備する際のポイントも解説しているので、ぜひチェックしてほしい。
なぜ40代から老後資金の準備が必要なのか?
老後資金の準備を始めるなら、40代の時点で取り組んでほしい。
なぜなら、40代から資産運用を始めておくことで、20年以上の投資期間を確保した長期運用を実現できるからだ。
ここでは、なぜ40代から老後資金に備えて資産運用に取り組むべきなのかを解説しよう。
年金制度やインフレにまつわる懸念
これまでの老後生活を支えてきた日本の公的年金制度だが、少子高齢化や人口減少によって年金額の減少が見込まれている。
また、物価が上昇するインフレーションも起きていて、同じ収入でも購入できる商品やサービスが減少している。
物価の上昇に対して年金額が減少しており、国民年金や厚生年金といった公的年金だけでは老後の生活を賄うのが厳しくなっていると言えるだろう。
年金だけで足りない部分を補うためには、40代から貯蓄と投資に取り組んで老後資金を用意しておく必要がある。
40代のライフステージから考える資産管理の必要性
40代を迎えると子どもが成長してきて、教育費にお金がかかっている人も多いだろう。
しかし、定年退職まで約20年に迫ってきており、早めに対策しておかないと老後が苦しくなる可能性が高い。
子どもが就職してから取り組もうと考えていると手遅れになるかもしれないので、なるべく早めに資産管理に着手して老後資金に備えよう。
長期運用によるリスク軽減と複利効果による長期的な資金成長
40代から老後資金を準備するにあたっては資産運用が欠かせないが、投資で大きく失敗すると元本を失って老後資金どころではなくなってしまう。
そのため、長期・分散投資によってリスクをコントロールしつつ、安定的なリターンを目指す必要がある。
短期的に見ると株価は上下動を繰り返しているが、20年以上の長い目で見ると右肩上がりに成長し続けている。
つまり、歴史的に見ると経済指標と同様の銘柄を購入して長期的に保有していれば、資産が増加する可能性が高いわけだ。
40代から始めれば20年以上の運用期間を確保できるため、リスクをコントロールしながら資産形成を進めやすいと言えるだろう。
また、運用期間が長くなればなるほど、利息が利息を生む複利効果を活用できる。
利益も運用することで元本が大きくなって、同じ利回りでもリターンが増加する仕組みだ。
複利効果を活用するメリットをイメージしやすいように、利益を元本に加えない単利と複利による資産額の違いを表にまとめよう。
ここでは運用元本500万円を20年間にわたって年利5%で運用した場合をシミュレーションする。
年数 | 単利(利益を再投資しない) | 複利(利益を再投資する) | 単利と複利の差 |
---|---|---|---|
1年目 | 5,150,000円 | 5,150,000円 | 0円 |
5年目 | 5,750,000円 | 5,796,370円 | 46,370円 |
10年目 | 6,500,000円 | 6,719,582円 | 219,582円 |
20年目 | 8,000,000円 | 9,030,556円 | 1,030,556円 |
30年目 | 9,500,000円 | 12,136,312円 | 2,636,312円 |
複利効果を活用することによって、スタートは同じ500万円でも20年後には100万円以上、30年後には250万円以上も資産額に差が出ている。
運用期間が長くなればなるほど複利効果は大きくなるので、40代から資産運用を始めて複利の力を最大限に活かしてほしい。
40代が考える老後に必要な資金の見積もり方
そもそもいくら必要なのかがわからないと資金の過不足が発生してしまうかもしれないため、まずはどのくらいの老後資金を用意すべきなのかシミュレーションしておこう。
ただ、具体的な算出方法がわからない人も多いのではないだろうか。ここでは、老後資金を見積もる方法を解説しよう。
老後の生活費用の見積もり方と目安
老後の生活費用を見積もる際は、まずは項目ごとに分けて計算しよう。
考慮すべき主な費用は以下のとおりだ。
- 住居費
- 賃貸の場合は家賃、持ち家の場合は固定資産税や修繕費
- 食費
- 日々の食事や外食費用
- 医療費
- 健康保険料や医療費、薬代
- 公共料金
- 水道光熱費や通信費
- 交通費
- 車の維持費や公共交通機関の費用
- 娯楽費
- 趣味や旅行、交際費
- その他
- 被服費や美容費
総務省統計局の「家計報告調査」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の消費支出は約14万円5,000円、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の消費支出は約25万円だった。
暮らしている地域や趣味、家賃などによって生活費用は大きく異なるものの、単身者は15万円程度、夫婦2人の場合は25万円程度が目安になるだろう。
インフレ率を考慮した資金計画の立て方と具体例
これまでの日本ではデフレ脱却を掲げるほどインフレ傾向が弱かったが、2022年ごろから物価の上昇がニュースで度々報道されるようになった。
IMF(国際通貨基金)が公開しているデータによると、2022年のインフレ率は2.5%、2023年は3.27%、2024年は2.24%と記録されている。
2021年は⁻0.24%だったことを考えると、バブル崩壊以降の日本とは経済状況が変わりつつあることがわかるだろう。
そのため、老後資金の計画を立てる際にも、インフレ率を考慮する必要がある。
デフレが続いていた頃から2%のインフレ率を目標に日本政府や日本銀行は政策を決定していたので、今後も2%程度を目安に考えておくと良いだろう。
インフレ率を考慮して資金計画を立てる際は、現在の計算で必要な金額に1.02を老後までの年数分の回数を掛けることで求められる。
例えば老後資金が現在20万円だと算出した場合、10年後には1.02を10回掛けた244,798円が老後資金として必要になるわけだ。
医療費や緊急資金のための準備
老後の生活では怪我や病気のリスクが高いため、万が一に備えた資金の準備が欠かせない。
ただ、後期高齢者医療制度や高額療養費制度など、日本の健康保険制度は充実しているので、100万円〜200万円程度を確保しておけば突然の事態に対応できるだろう。
もし先進医療などを希望する場合は、医療費が高額になりやすい。そのようなケースは貯金だけでの対応が難しい可能性もあるので、民間保険も活用しよう。
40代から始める老後資金準備のポイント
ここでは、40代から始める老後資金準備のポイントを解説する。
40代の理想的な貯蓄と投資のバランスや適切な運用例も記載しているので、ぜひチェックしてほしい。
40代の理想的な貯蓄と投資のバランス
一般的に貯蓄が年齢と同程度の割合になるようにすると、リスク許容度に合ったバランスになると言われている。
そのため、40代は貯蓄40%、投資60%程度を目安に考えておくと良いだろう。
大きなリターンを狙って投資の配分を高める人もいるが、投資の比重が大きくなるとリーマンショックやコロナショックのような大暴落に耐えられなくなってしまう。
投資の鉄則である長期投資を実現するためにも、適切な配分を保って資産運用を継続してほしい。
なお、長期間にわたって運用していると株価の変動によって貯蓄と投資のバランスが崩れることもある。
もし資産配分が崩れた場合は投資信託や株式を購入して投資の割合を増やしたり、商品売却や購入金額の引き下げによって貯蓄の割合を増やしたりして資産配分を調整しよう。
40代の老後資金準備のための資産運用におけるリスク管理の重要性
投資におけるリスクとは、危険ではなく不確実性のことを指し、リスクが高ければ不確実性が高く、価格変動が起こりやすいことを意味する。
つまり、大幅に上昇すれば大きなリターンを得られるかもしれないが、リスクを負い過ぎると急激に資産価値が下落する恐れもある。
そのため、ライフイベントと出費が多い40代にはハイリスクハイリターンの運用は好ましくないだろう。
市場の局面に左右されずに運用を継続するためにも、リスクをコントロールしてほしい。
なお、リスクをコントロールする際は先述の長期投資に加えて、投資先を分散させることが大事だ。
個別株を購入する場合は最低でも10銘柄以上を選定して、1銘柄から受ける影響をなるべく小さくしておきたい。
老後資金準備に最適な運用例
老後資金に備えるための資産運用では、長期・分散投資が非常に大事になる。
リスクをコントロールするために、長期的に見て成長性のある企業を10以上選定して株式を購入してほしい。
ただし、個人で10銘柄以上を選定するのは難しい人も多いだろう。
そこでおすすめなのが、複数の銘柄によって構成されている投資信託だ。
S&P500や日経平均株価といった指数に連動する投資信託をインデックスファンドと言うのだが、これらの商品が非常におすすめである。
なぜなら、運用コストが安いうえに期待リターンが高く、数百銘柄以上に分散投資をできるからだ。特におすすめの銘柄は以下のとおりだ。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 全米株式(S&P500)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
優良なインデックスファンドを1本選んだら、後は貯蓄と投資の適切なバランスを保ちながらコツコツと買い続けよう。
優良なインデックスファンドの年利は3%~7%が目安なので、5%で運用すれば以下の表のような資産を築ける。
運用年数 | 月1万円 | 月3万円 | 月5万円 | 月10万円 |
---|---|---|---|---|
1年目 | 122,789円 | 368,366円 | 613,943円 | 1,227,886円 |
5年目 | 680,061円 | 2,040,182円 | 3,400,304円 | 6,800,608円 |
10年目 | 1,552,823円 | 4,658,468円 | 7,764,114円 | 15,528,228円 |
20年目 | 4,110,337円 | 12,331,010円 | 20,551,683円 | 41,103,367円 |
40代から老後資金の準備を始めるなら誰に相談するべき?
「そもそもどのくらいの金額を用意すべきかわからない」「効率的に老後資金を貯める方法を知りたい」と悩んでいる人がいるのではないだろうか。
そこでここでは、40代から老後資金を貯めるにあたっておすすめの相談先を紹介する。
なぜ専門家に相談するべきなのか
老後資金を用意するにあたっては、貯金だけではなく資産運用も行うことを推奨している。
しかし、投資初心者が個人で運用戦略を立案したり、投資商品を決定したりするのは難しいだろう。
そこで、運用のプロからアドバイスを受けることをおすすめする。
プロに相談することで、老後資金の金額が明確になったり、投資目的に合った商品を選びやすくなったりするためだ。
資産運用は、緻密な投資計画が成功のカギを握る。
正しく投資を継続するためにも、資産運用のプロフェッショナルに頼って知識を身に付けておこう。
IFAとは何か
IFAは独立系ファイナンシャルアドバイザーのことで、金融機関から独立した存在として顧客へ資産形成に関するアドバイスを行っている資産運用のプロフェッショナルだ。
金融商品仲介業者として登録を受け、専門的な知識と豊富な経験を活かして商品や証券口座の提案といったアドバイスも提供している。
そしてIFAは資産運用だけではなく、今後の生活も見据えたアドバイスが可能だ。
そのため、必要な老後資金の算出や商品購入後のフォローなどにも対応している。
そんなIFAに相談するメリットは以下のとおりだ。
- 金融機関から独立しているので、中立的な立場からのアドバイスを聞ける
- 基本的に転勤制度がないため、老後資金の準備を長期的にサポートしてくれる
- 資産運用のアドバイザーとして、個人の収入や家族構成、働き方、金融資産などに合わせたアドバイスをしてくれる
相談内容や希望が漠然としている場合でも、まずはIFAに相談してみてほしい。
IFAを探す際は「資産運用ナビ」がおすすめ
ここまでの説明を受けて、IFAへの相談を検討している人もいるのではないだろうか。
しかし、「IFAの探し方がわからない」「担当者選びに失敗したくない」と悩んでいる人も多いだろう。
もしIFA選びに迷っているのであれば、IFA検索サービスの「資産運用ナビ」の活用がおすすめだ。
指定の入力フォームに回答することで条件に合ったIFAが紹介される仕組みになっていて、ミスマッチが起きにくいのが大きなメリットだ。
「資産運用ナビ」は無料相談にも対応しているので、気になる人は気軽に問い合わせてみてはどうだろうか。
40代から投資を始めて老後資金を確保しよう
インフレや年金問題などがあり、老後資金に関する話題が度々注目を集めている。
今後もこの問題は加速する可能性があるため、40代のうちから対策しておくことで老後の生活も心配せずに安心して生活できるだろう。
老後資金を見積もる際は、以下のような費用を考慮してシミュレーションをすると良い。
- 住居費
- 賃貸の場合は家賃、持ち家の場合は固定資産税や修繕費
- 食費
- 日々の食事や外食費用
- 医療費
- 健康保険料や医療費、薬代
- 公共料金
- 水道光熱費や通信費
- 交通費
- 車の維持費や公共交通機関の費用
- 娯楽費
- 趣味や旅行、交際費
- その他
- 被服費や美容費
人によって生活費用は異なるものの、単身者は15万円程度、夫婦2人の場合は25万円程度を目安に考えておくと良いだろう。
なお、老後資金を用意する際に貯金だけに頼ると、低金利のため増えないだけではなく、インフレで目減りしてしまう可能性も大きいので、投資も行うべきだ。
優良なインデックスファンドを選択し、リスク許容度に合った配分を保って資産運用を継続しよう。
ただし、自分で運用戦略の立案や投資商品の決定が難しい人もいるかもしれない。
そのような場合は投資の専門家であるIFAに相談すべきだ。
IFAは金融機関に所属していないため、中立的な立場から資産運用に関するアドバイスを提供してくれる。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用すると自分に合ったIFAを見つけやすいので、IFAを探す際はぜひ活用してほしい。