- 50代から始める老後資金の準備方法が知りたい
- 老後資金がどれくらい必要かわからない
- 老後の生活に不安を感じているので、対策法が知りたい
老後が迫ってきた50代には、老後資金について悩んでいる人も多いだろう。
しかし、「50代から老後資金を準備するのは遅くないのか」「そもそもどのくらいの金額を用意すべきかわからない」「50代での資産運用は老後資金にできるのであろうか」と、疑問が多くて取り組めていない人もいるかもしれない。
各年代で目安にするべき老後資金の資産運用法についても、詳しく解説されているのであわせて読み進めてほしい。
そこで本記事では、老後資金の見積もりや50代からできる老後資金の準備方法などを解説しよう。
具体的な対策方法にも言及しているので、気になる人はぜひチェックしてほしい。
老後資金はどれくらい必要?50代のうちから考えておこう
老後資金を準備するにあたっては、資金計画の立案や老後の生活費の見積もりが欠かせない。
また、万が一の場合に備えた資金も用意しておく必要がある。
ここでは、それぞれの要素について触れつつ、老後資金をどのくらい用意すべきか解説しよう。
長寿リスクを考慮した資金計画の重要性
老後資金は、月々の収入(年金)から月々の支出(生活費)を差し引いてマイナスになった分に老後の月数を掛けると計算できる。
つまり、年金15万円、生活費20万の人が老後を20年生きる場合、-5万円×240か月になり、最低でも1,200万円が必要なことがわかる。
老後の年数に応じて必要な資金が大きく異なるため、長生きする可能性も考慮して資金計画を立てる必要があるだろう。
老後資金をシミュレーションする際は、平均寿命よりも長生きした場合のお金も用意できるかという視点で考えてほしい。
老後にかかる平均的な生活費の見積もり方と実際の金額
そもそも老後の生活費がいくら程度かを把握していないと、資金が不足して生活が難しくなってしまうかもしれない。
そのため、まずは老後の生活費がどのくらい必要かをシミュレーションしておこう。
今の生活費からおおよその金額を推定することも可能だが、より精度を高めたい場合は項目ごとに分けて考えると良い。
考慮すべき主な費用は以下のとおりだ。
- 住居費
- 賃貸の場合は家賃、持ち家の場合は固定資産税や修繕費
- 食費
- 日々の食事や外食費用
- 医療費
- 健康保険料や医療費、薬代
- 公共料金
- 水道光熱費や通信費
- 交通費
- 車の維持費や公共交通機関の費用
- 娯楽費
- 趣味や旅行、交際費
- その他
- 被服費や美容費
総務省統計局の「家計報告調査」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の消費支出は約14万円5,000円、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の消費支出は約25万円だった。
居住エリアや趣味にかかる費用、持ち家の有無などによって変動するものの、単身者は15万円程度、夫婦2人の場合は25万円程度の生活費がかかることを把握しておいてほしい。
医療費など予期せぬ出費への備え方
若いころに比べると怪我や病気のリスクが高くなるため、老後の生活に向けては万が一に備えた資金を準備しておこう。
ただ、高額療養費制度や後期高齢者医療制度など、日本の健康保険制度は充実しているので、100万円〜200万円程度を確保しておけば突然の事態に対応できる可能性が高い。
それでも先進医療などを希望する場合は、医療費が高額になりやすいため、医療費が高額になることが予想される際は50歳からでも入れる民間保険の活用も検討しよう。
50代から始める老後資金の準備方法
ここでは、50代から始める老後資金の準備方法を解説しよう。
3つのステップに分けて説明しているので、1つずつクリアして着実に老後資金を用意してほしい。
ステップ①現在の収入と支出を把握し可処分所得を明確にする
老後も安心して暮らせる資金を用意できるかどうかは、拠出できる金額の大きさによって異なる。
なぜなら、月々の手残りが大きいほど、資産運用に回せる金額が増えて資産形成を進めやすいからだ。
そのファーストステップとして、そもそもどのくらいの金額を運用に回せるのかを把握するために、収入-支出を引いて自由に使える可処分所得を計算しよう。
例えば手取り30万円で支出が20万円であれば、月10万円を老後資金の確保に向けて使用できる。
このような方法で可処分所得を計算できるので、そもそもどのくらいの金額を拠出できるかを最初に調べてほしい。
ステップ②効果的な節約方法と貯金プランを立てる
もし可処分所得が少ない場合は、家賃や公共料金、サブスクリプションなどの固定費を中心に削減できないか見直してほしい。
固定費は毎月発生する費用なので見直しによって削減できれば、翌月以降は努力せずとも支出を削れるからだ。
最初に見直すべき項目は以下のとおりだ。
- 不要な保険に加入していないか
- 電力・ガス・水道などの公共料金は安い会社を選んでいるか
- 携帯キャリアの高いプランを利用していないか
- 不要なサブスクリプションに加入していないか
- 周囲の物件と比較して家賃は適正な価格か
まずは固定費の削減を目指して、家計を見直してみよう。
一度見直せば今後の生活が楽になるので、積極的に取り組んでほしい。
一方で、「1円でも安い食材を求めてスーパーをはしごする」「電気や水道、ガスを使う量を気にして少しでも公共料金を安くする」といった節約方法はおすすめしない。
継続した努力が必要で手間や時間、ストレスがかかるにもかかわらず、削減できる費用があまり大きくないからだ。
固定費を削減して不要な出費を削れば可処分所得が増えて、より大きな金額を貯金に回せるだろう。
ステップ③貯蓄と投資を併用する
老後資金を用意するにあたっては、貯蓄だけではなく投資も活用すべきだ。
なぜなら、日本の預金金利は0.001%と非常に低く、預貯金だけだと資産形成の効率が悪いからだ。
50代から老後資金の準備を開始して20年後までに2,000万円を確保するケースを想定してみよう。
貯金だけの場合は1年間で100万円、つまり月9万円弱を拠出し続けなければならない。
一方で、投資を併用して年利5%のリターンで運用し続けていれば、月5万円の拠出で20年後には資産額が2,000万円を突破している。
効率的に資産形成を進めて目標金額を達成するためにも、貯蓄と投資を併用して眠っているお金が生まれないようにしよう。
なお、50代の場合、貯蓄と投資のバランスは50%:50%が最適な配分である。
老後資金が足りるのか不安!そんな50代の方向けの具体的な対策法
「50代から始めて老後資金を用意できるかわからない」という人もいるのではないだろうか。
結論から言うと、貯蓄と投資を併用すれば、50代からでも十分に老後資金を用意できる。
ここでは、老後資金が足りるのか不安な人に向けて、50代にぴったりの対策方法を紹介しよう。
公的年金以外で安定収入源を確保する方法
老後資金は収入-支出の不足を補うために用意するので、公的年金以外の収入を確保することでも対策が可能だ。
現在はシニア雇用も進んでいて定年退職後も働くことは可能だが、将来の体の状況は現時点ではわからない。
もしかすると働くのが難しい可能性もあるため、公的年金と労働による報酬を除いて、安定収入源を確保する方法を紹介する。
サラリーマンが公的年金以外で老後の安定収入源を確保するなら、確定拠出型年金を活用しよう。確定拠出年金とは、国民年金や厚生年金の上乗せ分として老後資金が作れる、私的年金制度だ。
勤務先を通して加入する企業型と金融機関で申し込む個人型(iDeCo)があり、どちらも金融商品を購入して資産を形成する仕組みになっている。
確定拠出年金は購入した金融商品の利益に対して、税金がかからないというのが大きなメリットである。
本来であれば約20%の税金が発生するのだが、税金が不要な確定拠出年金では効率的に資産形成を進めることが可能だ。
また、掛金が所得控除の対象になるため、所得税・住民税が減額されるというメリットもある。
さらに、受給時にも公的年金等控除もしくは退職所得控除を適用可能で、さまざまな税制メリットが用意されている。
老後資金が不安な場合は確定拠出年金も活用して、公的年金以外の収入源を確保しておこう。
50代の老後資金準備に最適な運用例
50代の老後資金準備におすすめの金融商品は、複数の銘柄によって構成されている投資信託だ。
特にS&P500やMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスなどの指数に連動しているインデックスファンドを推奨している。
また、投資信託を選ぶ際は手数料である信託報酬が0.1%以下に収まっているかもチェックしてほしい。
なぜなら、信託報酬の高い投資信託を選択すると、トータルリターンが低くなって資金効率が悪くなるからだ。
信託報酬が安くても優良なファンドが多いので、高い投資信託は選択しないようにしよう。
なお、投資信託選びに迷った場合は、以下の銘柄から購入して預貯金:投資信託=50%:50%のポートフォリオを作成すると良い。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 全米株式(S&P500)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
これらの投資信託は年利3%〜7%程度を期待できるので、年利5%で運用した場合のつみたて金額に応じた資産額をシミュレーションしてみよう。
運用年数 | 月1万円 | 月3万円 | 月5万円 | 月10万円 |
---|---|---|---|---|
1年目 | 122,789円 | 368,366円 | 613,943円 | 1,227,886円 |
5年目 | 680,061円 | 2,040,182円 | 3,400,304円 | 6,800,608円 |
10年目 | 1,552,823円 | 4,658,468円 | 7,764,114円 | 15,528,228円 |
20年目 | 4,110,337円 | 12,331,010円 | 20,551,683円 | 41,103,367円 |
必要な金額と運用年数に合わせて、毎月どのくらいの金額を拠出すべきなのか判断してほしい。
老後資金準備のための運用でリスクを管理する方法
老後資金準備のための運用でリスクを管理する方法として、長期・分散投資が挙げられる。
これまでの歴史で見ると、優良なインデックスファンドを購入して20年間以上にわたって保有し続ければ、最終的には利益が出ている。
つまり、長期間にわたって運用し続けることで、投資初心者でもリターンを得られる可能性が高いのだ。
また、10銘柄以上を購入する分散投資によっても、リスクコントロールが可能だ。
ただし、財務状況や成長性を確認せずに選んだ10銘柄ではリターンを得られないかもしれないので、入念に調べてから購入する必要がある。
ただし、投資初心者にとって自分で銘柄を調べて購入するのはハードルが高いだろう。
そこで、数百銘柄以上によって構成されているインデックスファンドをおすすめしているのだ。
優良なインデックスファンドを購入し、20年間以上にわたって運用してリスクを管理しながら老後資金を用意しよう。
50代から老後資金の準備を始めるなら誰に相談するべき?
「老後が迫ってきているのでなるべく効率的に資産形成を進めたい」「そもそもどのくらいの金額を準備すべきかわからない」と悩んでいる人がいるだろう。
そこでここでは、50代から老後資金を準備するにあたって、おすすめの存在を紹介する。
なぜ専門家に相談するべきなのか
50代から老後資金を準備する際に専門家に相談すべき理由として、おもに以下の2つが挙げられる。
- 資産運用のスタートでありがちな失敗を防げるから
- どのくらいの金額が必要なのかを適切にシミュレーションできるから
専門家はこれまでに多くの顧客の相談を受けていて、初心者がしがちな失敗を把握している。
そのため、最初に相談しておくことでリスクを負い過ぎたり、高い手数料を支払ったりといった失敗を防げるのだ。
また、老後資金を準備するにあたっては、どのくらいの金額が必要なのかを把握することが欠かせない。
ただし、年金額や老後の生活費、持ち家の有無などによって老後資金は大きく異なるため、自身で計算するのは難しいだろう。
もし想定額が不足していると老後の生活が苦しくなるので、専門家を頼って適切な金額を把握してほしい。
IFAとは何か
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、金融機関から独立した存在として投資家の立場に立ったサポートができる投資の専門家だ。
IFAはおもに以下のような役割を果たしている。
- 運用計画の策定
- リスク許容度の確認
- 証券口座の開設方法をアドバイス
- 運用目的やリスク許容度に合わせた商品提案
- リバランス
IFAは銀行や証券会社などの金融機関に所属しているわけではないため、ノルマは課されておらず、投資家の一人ひとりに合わせてパーソナライズドされた提案が可能だ。
ネットや書籍の情報がその投資家に合っているかどうかはわからない。
そして金融機関の窓口で案内される場合では、投資家に合った金融商品を勧めているか確認しようがない。
このような投資家目線で語れる人が限られているなかで、IFAは投資家個々の目標や課題をもとにアドバイスおよびサポートをすることができる。
また、IFAには異動がなくて長期的な関係性を築きやすい。
老後を迎えるまで継続して相談できる存在としてIFAは非常におすすめだ。
IFAを探すなら「資産運用ナビ」を活用しよう
ここまでの説明を受けて、IFAへの相談を検討している人が多いだろう。
しかし、「どのようにしてIFAを探せば良いかわからない」「相性の悪い人が担当者になったらどうしよう」と悩んでいる人も多いはず。
もしIFA選びに迷っている人がいたら、IFAと投資家のマッチングサービスである「資産運用ナビ」を活用してほしい。
家族構成や運用目的などの条件を入力すると、条件に合ったIFAが紹介される。
得意な分野や年齢層などからIFAが選定される仕組みになっているので、担当者とのミスマッチが生まれにくい。
「資産運用ナビ」では無料相談も実施しているので、まずは気軽に問い合わせてみてはどうだろうか。
可処分所得を把握して50代から老後資金の準備に取り組もう
50代から老後資金を準備する際は、以下のステップを踏んで取り組もう。
- 現在の収入と支出を把握し可処分所得を明確にする
- 効果的な節約方法と貯金プランを立てる
- 貯蓄と投資を併用する
まずは拠出可能な金額がわからないと、貯金のしようがない。
そのため、現在の収入と支出を把握し可処分所得を明確にすべきだ。次に可処分所得を増やすために、削減できる固定費がないか見直そう。
最初だけ手間と時間がかかるが、固定費の見直しによって効率的に支出を減らせるので、積極的に取り組んでほしい。
そして拠出可能な金額を確保できたら、貯蓄と投資を併用して老後資金を準備しよう。
総務省統計局の「家計報告調査」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の消費支出は約14万円5,000円、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の消費支出は約25万円だった。
居住エリアや趣味にかかる費用、持ち家の有無などによって変動するものの、単身者は15万円程度、夫婦2人の場合は25万円程度の生活費がかかることを把握しておいてほしい。
そして支出と収入の差し引きに月数を掛けたものが必要な老後資金の金額を表す。
長生きして老後資金が不足することがないように、長寿リスクも踏まえて資金計画を作成しよう。
ただし、自分だけでは老後資金を適切に準備できるか悩んでいる人もいるかもしれない。
そのような人にはお金のプロフェッショナルであるIFAへの相談をおすすめしている。
IFAは金融機関から独立しているため、中立的な立場からあなたに合った商品の提案が可能だ。
長期的な関係性も築けるので、老後に向けて手厚くサポートしてくれるだろう。
なお、IFAを探す際はIFA検索サービスの「資産運用ナビ」がおすすめだ。
オンライン相談も実施しているので、老後資金を用意するにあたって気軽に問い合わせてみてはどうだろうか。