日本の主な年金制度として、自営業者やフリーランスが加入する国民年金と正社員や公務員が加入する厚生年金の2種類が存在する。
この厚生年金は企業に就職すると加入するが、社会保障の1つである健康保険にも一緒に加入する人が多いのではないだろうか。そんな時、以下のような疑問をお持ちの方は少なくない。
- 「厚生年金のみに加入したい」
- 「厚生年金と健康保険どちらか一方のみ加入することができるのか?」
- 「厚生年金を支払いたくない場合はどうすれば良いか?」
そこで本記事では、厚生年金と健康保険のどちらか一方のみに加入できるのか、などについてわかりやすく紹介していく。厚生年金に加入することになった方は、ぜひ最後までご覧いただきたい。
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厚生年金と健康保険どちらか一方のみ加入可能?
厚生年金と健康保険のどちらか一方のみ加入することはできない。基本的に原則セットで加入することになるのだ。
手続き時に提出する「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」という書類で、厚生年金と健康保険の加入手続きを同時に行う。そのため、どちらか一方のみに加入することは一部例外を除いてできないのだ。
ちなみに支払いは、どちらも給与から天引きされるようになっている。そのため自分で保険料を納める必要はなく、毎月の手取りが減るような仕組みを取っている。
一部例外も
前述したように、基本的に厚生年金と健康保険はセットで加入する。しかし厚生年金の加入上限は70歳未満までになるので、70歳以上で加入する場合は健康保険のみの加入となるので注意をしておこう。それぞれの加入上限は以下の通りだ。
加入上限
- 厚生年金は70歳未満まで
- 健康保険は75歳未満まで
特に60歳の定年退職後に再雇用される場合、厚生年金を受け取りながら「厚生年金・健康保険」に加入して給与から保険料を支払うというケースも70歳未満までは出てくるだろう。厚生年金は70歳以上になると加入ができないので、必然的に受給するのみとなる。
健康保険に関しては、75歳以上になると後期高齢者医療制度を適用できるので、支払いは会社ではなく自分で行うことになることを念頭に置いておこう。
厚生年金を支払いたくない場合は?
厚生年金と健康保険に加入することで、将来の老後資金の準備や医療費の負担軽減が可能だ。しかし、どうしても「厚生年金や健康保険に加入したくない」という方もいらっしゃるのではないだろうか。
その場合は以下の2通りの方法を行うことで厚生年金を支払わなくて済む。
- 厚生年金の加入条件を満たさない(国民年金に加入する)
- フリーランスなどの働き方を選ぶ
それぞれ紹介していく。
厚生年金の加入条件を満たさない
まず手っ取り早い方法は、該当者にならないという方法だ。当然、厚生年金の加入条件を満たさなければ厚生年金へ加入しなくて済む。
基本的な加入条件は以下の通りだ。
基本的な加入条件
- 常時雇用されている(1週間、および1月の所定労働日数の4分の3以上)
- 70歳未満である
つまり、正社員や公務員で70歳未満の方であれば加入対象となる。さらにパートタイマーやアルバイトとして雇用されている方も、以下の条件をクリアしていると加入対象となる。
- 週20時間以上働いている
- 月収8万8,000円以上(時給×労働時間× 52週÷12ヶ月で算出)
- 1年以上働く見込みがある
- 学生ではない
そのため上記を満たさないような日雇い労働者、雇用契約が短期間(2ヶ月以内)、臨時の雇用(〜6ヶ月以内)、事務所所在地が定まっていないなどのケースは厚生年金に加入する義務はない。
ちなみに厚生年金は雇用主が加入体制を整えた上で、その後正社員として雇用したものを加入するような流れとなっている。その際、自分で会社を経営している雇用主は、1人社長を含めた法人事務所や常時5人以上の従業員を雇用する個人事務所も厚生年金の加入対象となるので注意をしておこう。
フリーランスなどでの働き方を選ぶ
「厚生年金に加入せず、労働収入を得たい」という場合は、正社員や公務員などにならず自営業やフリーランスなどでの働き方を選択するのも手だ。前述したように厚生年金の加入条件を満たさないとなると、企業で働く場合は週20時間未満、かつ1ヵ月の賃金が8万8,000円未満となる。
これだけで生活費をまかなうのはかなり資産運用などをしない限り難しくなるので、必然的にどこか別の働き口を探すことになる。その際に、厚生年金に加入しない職業として自ら企業に属さず収入を得るような働き方を選択してみても良いだろう。
このケースでは、厚生年金には加入しておらず国民年金と呼ばれるもう1つの年金制度に加入することになるので注意をしておこう。ちなみに厚生年金は収入に応じて保険料が増減するのに対し、国民年金は一律1万6,590円(令和4年度分)と設定されている。厚生年金が上がりすぎて支払いたくないという場合は、厚生年金ではなく国民年金への加入変更も検討してみてはいかがだろうか。
ただ厚生年金にもかなり大きなメリットがいくつも存在する。こちらの記事で厚生年金のメリットとデメリットについて紹介しているので、あらかじめ確認した上で加入変更を判断するのが望ましい。
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よくある質問
雇用保険に関してよくある質問をそれぞれ紹介していく。
厚生年金の保険料は?
厚生年金の保険料は、簡単に言えば毎月の月収や賞与にそれぞれ18.3%をかけ、それを半分にした金額を雇用主と加入者で半分に分けて支払う。つまり、それぞれ9.15%ずつかけた数値が負担する保険料となるのだ。
具体的には基本給や通勤交通費などの各種手当を含めた金額に応じて、9万3,000円未満は1、9万3,000円以上10万1,000円未満は2、など1から32までの等級が設けられている。この等級で設定されている標準報酬金額に18.3%をかけ、2分の1にした金額を支払うことになる。
ちなみに企業は負担した保険料は経費として申告できる。
国民年金との違いは?
日本には国の公的年金制度として、国民年金と厚生年金が存在する。これらの違いは国民年金は20歳以上から60歳未満まですべての人が加入することになるのに対し、厚生年金は会社員や公務員に限定されている。
よく「厚生年金は支払っているが国民年金を支払っていないので、自分が加入できるのは厚生年金のみ」と考える人もいるが、これは誤解である。厚生年金を支払っていればその中に国民年金の保険料も含まれているので、厚生年金と国民年金の2種類に加入している状態となるのだ。
厚生年金と健康保険はセット加入
今回紹介してきたように、原則厚生年金と国民年金はセット加入になる。そのため厚生年金のみの加入はできなくなっている。厚生年金を支払いたくない場合は常時雇用される正社員ではなく、一定水準以下の労働時間で働くアルバイトか日雇い労働者、自営業やフリーランスを選ぶことになる。
厚生年金へ加入するかどうか迷っている場合は、こちらの記事を確認してみてはいかがだろうか。
厚生年金へ加入するメリットとデメリットの両面から解説しているので、ぜひ参考にしていただきたい。
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