投資信託の平均利回りは?商品選びのポイントを理解して賢く投資を始めよう

この記事で解決できるお悩み
  • 投資信託の利回りについて理解を深めたい
  • 平均利回りの目安を知りたい
  • 投資信託を選ぶ際のポイントを知りたい

投資信託を選ぶとき、多くの人が気になるのが「どれくらいの利回りを期待できるのか」という点だろう。NISAのように一定の投資枠内で運用益が非課税になる制度もあり、積立投資を検討する人は増えている。

ただし、投資信託には商品ごとに投資対象や運用方針があり、すべての商品に共通する平均利回りがあるわけではない。過去の利回りが高くても、将来の運用成果が保証されるものでもない。

本記事では、投資信託の利回りの考え方、平均利回りの目安、利回りを見る際の注意点、商品選びのポイントを整理する。利回りだけで判断せず、自分に合う投資信託を選ぶための確認材料として活用してほしい。

目次

投資信託の利回りとは何か

投資信託とは、多くの投資家から集めた資金をひとつにまとめ、運用会社が株式や債券などに投資して運用する金融商品である。

運用の成果は、基準価額の変動や分配金として、保有口数に応じて投資家に反映される。分配金は支払われる場合もあれば、運用方針や運用状況によって支払われない場合もある。

投資信託の特徴は、投資家が個別の株式や債券を一つひとつ選ばなくても、ひとつの商品を通じて複数の資産に投資できる点にある。

商品によって投資対象や地域は異なるが、初心者はまず「株式・債券・不動産などを組み合わせた商品」と捉えると理解しやすい。

利回りの基本概念|分配金と値上がり益を合わせて考える

利回りとは、投資元本に対してどれだけの収益が出たかを示す割合である。投資信託では、基準価額の上昇による売却益や、保有中に受け取る分配金などが収益にあたる。

利回りを簡易的に計算する場合は、以下のように考えられる。

年平均利回り(単利換算)=収益(分配金+売却益)÷運用年数÷投資金額×100

例えば、100万円の投資信託を購入し、1年後に1万円の分配金を受け取り、105万円で売却した場合、利回りは以下のように計算できる。

利回り=収益(分配金1万円+売却益5万円)÷運用年数1年÷投資金額100万円×100=6%

ただし、実際の投資では税金、購入時手数料、信託財産留保額などが影響する。また、商品資料では「利回り」ではなく「騰落率」「トータルリターン」「基準価額の推移」などで運用実績を確認することも多い。

そのため、計算式はあくまでイメージとして押さえ、実際の商品選びでは交付目論見書や運用報告書に記載された情報を確認することが重要だ。

分配金と再投資による利回りの違い|課税口座では税金も確認

投資信託では、決算ごとに分配金が支払われることがある。収益分配金には、課税対象となる「普通分配金」と、非課税扱いとなる「元本払戻金(特別分配金)」がある。

分配金が出た場合、投資家は分配金を受け取る方法と、受け取らずに再投資する方法を選べることがある。再投資を選ぶと、分配金を元本に加えて運用するため、長期では複利効果が働きやすい。

例えば、100万円で投資信託を購入し、税金や手数料を考慮せずに年10%の収益が出ると仮定する。この収益10万円を受け取る場合、翌年の投資元本は100万円のままだ。

一方、10万円を再投資すると、翌年の投資元本は110万円になる。翌年も同じ10%の収益が出た場合、100万円で運用した場合の収益は10万円、110万円で運用した場合の収益は11万円となる。

このように、分配金を再投資すると、元本と収益がさらに収益を生む形になり、長期では受け取り型との差が広がりやすい。ただし、課税口座では普通分配金を再投資する場合でも税金がかかるため、実際に再投資される金額は税引後の金額になる。

NISA口座では、一定の投資枠内で投資信託の分配金や売却益が非課税になる。分配金を受け取るか再投資するかだけでなく、課税口座で運用するのか、NISA口座で運用するのかも実質的な利回りに影響する。

リスクとリターンの関係|高い収益を狙うほど値動きも大きくなりやすい

投資信託は、商品によってリスクとリターンの大きさが異なる。一般的には、株式型は債券型に比べて値動きが大きくなりやすく、海外資産を組み入れる投資信託は為替変動の影響も受ける。

投資でいうリスクとは、単に「危険」という意味ではなく、価格やリターンの振れ幅を指す。高いリターンを狙う商品ほど、短期間で大きく値下がりする可能性もある。

利回りを見るときは、過去のリターンだけでなく、投資対象、地域、為替の有無、標準偏差などのリスク指標もあわせて確認しよう。

投資信託の平均利回りの目安

投資信託の利回りの基本を押さえたところで、平均利回りの目安を確認していこう。

結論から言うと、投資信託全体に共通する平均利回りはない。国内株式型、外国株式型、債券型、REIT型、バランス型など、投資対象によって期待できるリターンや値動きの大きさが異なるためだ。

20年の積立・分散投資では年率2〜8%程度に収れんした試算がある

金融庁の「高齢社会における資産形成・管理」では、1985年以降の各年に毎月同額ずつ国内外の株式・債券に積立・分散投資したと仮定した場合、20年間の長期保有では投資収益率が年率2〜8%程度の範囲に収れんする試算が示されている。

これは投資信託そのものの平均利回りではなく、長期・積立・分散投資の効果を示すための試算である。そのため、「投資信託なら年率2〜8%を必ず期待できる」という意味ではない。

投資信託の利回りを見るときは、このような長期の目安を参考にしつつ、実際の商品ごとの投資対象、運用期間、リスク、コストを確認することが大切だ。

主なカテゴリー別のリスク・リターンの特徴

投資信託のリターンは、どの資産に投資するかによって大きく変わる。主な資産クラスごとの特徴は下表のとおりだ。

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資産クラス主な特徴確認したい点
株式企業業績や市場環境の影響を受けやすく、値動きが大きくなりやすい投資地域
業種の偏り
為替リスク
債券株式に比べて値動きが抑えられやすい一方、金利や信用リスクの影響を受ける金利変動
発行体の信用力
為替リスク
不動産・REIT不動産市況や金利環境の影響を受ける投資地域
物件タイプ
分配方針
バランス型複数の資産に分散投資する。値動きは組入比率によって異なる株式・債券などの配分比率
リバランス方針

上記は一般的な傾向であり、実際の利回りやリスクは商品ごとに異なる。また、同じ資産クラスでも、国内資産中心か海外資産中心かによって為替リスクの有無が変わる。

カテゴリーによる違いに加えて、運用スタイルの違いも確認しておきたい。

  • インデックスファンド:日経平均株価、TOPIX、S&P500など、あらかじめ定めた指数に連動することを目標に運用する投資信託
  • アクティブファンド:運用会社が独自に銘柄選択や投資判断を行い、指数を上回る投資成果などを目指す投資信託

初心者は、仕組みが比較的わかりやすく、低コストの商品が多いインデックスファンドを候補にしやすい。ただし、インデックスファンドであっても、連動対象の指数、投資地域、為替リスク、信託報酬は商品ごとに異なるため、必ず確認しよう。

投資信託のリターン情報の確認方法

投資信託のリターンやリスクは、主に交付目論見書、運用報告書、運用会社・販売会社が提供する情報で確認できる。

購入前は交付目論見書で投資対象やリスク、費用を確認し、保有中は運用報告書や基準価額の推移で運用状況を確認する流れが基本だ。

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確認する資料主な内容チェックポイント
投資信託説明書
(交付目論見書)
投資方針
リスク
費用
分配方針
運用実績など
何に投資するか
どのようなリスクがあるか
費用はどれくらいか
運用報告書一定期間の運用状況
基準価額の推移
分配金
費用明細など
運用方針どおりに運用されているか
費用の実績はどうか
運用会社・販売会社の情報基準価額
分配金
月次レポート
ランキング
保有情報など
表示期間
税金・手数料の扱い
情報の更新日

直近数年の運用実績は、市場環境によって大きく振れることがある。過去のリターンを見るときは、1年だけでなく、3年・5年・10年など複数の期間で確認したい。

また、運用実績だけで判断せず、投資対象、リスク、コスト、分配方針もあわせて確認することが重要である。

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投資信託の利回りを見る際の注意点

利回りが高い投資信託は魅力的に見えるが、高い利回りだけで商品を選ぶのは避けたい。過去の成績が良くても、今後も同じように上昇するとは限らないためだ。

投資信託の利回りを見る際は、次の3点に注意しよう。

直近1年だけで判断しない

投資信託のリターンは、市場環境によって大きく変動する。直近1年のリターンが高い商品でも、一時的に特定の資産や地域が好調だっただけの場合がある。

逆に、直近のリターンが低い商品でも、長期では安定した運用をしているケースもある。過去の運用実績を見るときは、1年、3年、5年、10年など複数の期間を比較し、リターンがどのように変動してきたかを確認しよう。

過去の利回りは将来の運用成果を保証しない。直近の高リターンだけでなく、長期の推移と値動きの大きさをあわせて見ることが重要だ。

高いリターンには大きな値動きが伴いやすい

高いリターンを狙う投資信託ほど、価格変動も大きくなりやすい。特に、株式比率が高い商品、新興国資産に投資する商品、為替ヘッジなしの海外資産に投資する商品などは、値動きが大きくなることがある。

リスクの大きさは、標準偏差などの指標で確認できる。標準偏差は、基準価額やリターンの振れ幅を示す指標の一つで、数値が大きいほど値動きが大きい傾向がある。

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項目概要見方
リターン一定期間の収益率。
分配金と基準価額の変動を含む指標が使われることがある
期間が短いほど市場環境の影響を受けやすい
リスク(標準偏差)値動きの振れ幅を示す指標の一つ数値が大きいほど、上にも下にも大きく動きやすい
投資対象・地域株式、債券、REIT、国内外など投資対象や地域によってリスク要因が異なる

投資信託を選ぶ際は、リターンだけでなく、標準偏差や投資対象などのリスク情報も併せて確認しよう。

リターンが高い商品ほど、利回りがマイナスになる可能性もある。自分がどれくらいの値下がりに耐えられるかを考えたうえで選ぶことが大切だ。

税金・手数料が実質利回りに影響する

投資信託のリターンを見るときは、税金や手数料がどこまで反映されているかを確認したい。

基準価額は信託報酬などが差し引かれた後の価格として表示されるが、購入時手数料、信託財産留保額、税金などが表示リターンに含まれるかどうかは、資料やサイトの表示条件によって異なる。

投資信託の主なコストには、購入時にかかる販売手数料、保有中にかかる信託報酬、監査費用などの諸費用、換金時にかかる場合がある信託財産留保額などがある。

また、課税口座で投資信託を保有する場合、普通分配金や売却益には原則として20.315%の税金がかかる。内訳は、所得税および復興特別所得税15.315%、地方税5%である。

NISA口座では、一定の投資枠内で分配金や売却益が非課税になる。利回りを比較するときは、どの口座で運用するか、どの費用がかかるかも含めて実質的な利回りを考えよう。

投資信託選びのポイント

ここまで、投資信託の利回りの見方と注意点を解説してきた。

利回りは重要な判断材料だが、投資信託選びでは利回りだけでなく、投資方法、リスク許容度、コストも確認する必要がある。

ここでは、投資信託を選ぶ際に押さえたい3つのポイントを紹介する。

一括投資だけでなく積立投資も検討する

投資信託は、一括で購入する方法だけでなく、毎月一定額を積み立てる方法でも購入できる。

投資では、できるだけ安く買って高く売りたいと考えるのが自然だ。しかし、相場の底値を正確に見極めるのは難しく、買った直後にさらに値下がりすることもある。

積立投資では、毎月一定額を購入することで、価格が高いときは少ない口数を、価格が低いときは多い口数を買うことになる。その結果、購入時期の影響を平準化しやすい。

ただし、積立投資をすれば必ず利益が出るわけではない。投資対象そのものが値下がりすれば損失が出る可能性はあるため、長期で運用できる資金で行うことが重要だ。

運用方針とリスク許容度を合わせる

投資信託を選ぶ前に、運用目的とリスク許容度を整理しよう。老後資金、教育資金、住宅購入資金など、目的によって運用期間や取れるリスクは変わる。

例えば、10年以上の長期運用を前提に資産形成を目指す場合は、株式を含む投資信託を候補にしやすい。一方、数年以内に使う予定の資金や、値下がりに強い不安を感じる資金であれば、値動きの大きい商品に集中投資するのは避けたい。

積極的にリターンを狙う人でも、すべてを株式型にする必要はない。保守的に運用したい人でも、預貯金だけでなく、一部を低リスク資産やバランス型で運用する選択肢がある。

大切なのは、目標リターンだけでなく、値下がりしたときに保有を続けられるかを考えることだ。自分の運用期間、資金の使い道、心理的な負担に合う投資信託を選ぼう。

総経費率・信託報酬・販売手数料を確認する

投資信託のコストは、長期の運用成果に影響する。特に、保有中に継続してかかる信託報酬は、運用期間が長いほど差が出やすい。

同じ指数に連動するインデックスファンドを比較する場合、信託報酬が低い商品は有力な候補になる。ただし、コストだけでなく、連動対象の指数、純資産総額、運用実績、分配方針なども確認したい。

また、販売会社によっては購入時手数料が異なる場合がある。購入前には、交付目論見書や販売会社の画面で、購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額、運用報告書に記載された費用明細を確認しよう。

IFAが投資信託選びで役立つ理由

投資信託の仕組みや選び方を理解しても、実際に自分で商品を選ぶ段階で迷う人は多い。

投資対象、リスク、コスト、分配方針を一つひとつ比較するには時間がかかるため、必要に応じて専門家に相談するのも選択肢の一つである。

投資信託選びを相談できる専門家の一つ

IFAとは、独立系ファイナンシャルアドバイザーを指す。一般に、金融商品仲介業者またはその登録外務員として、投資信託や債券、株式などの金融商品に関する提案や取引の支援を行う。

IFAは、顧客のライフプランや資産状況、運用目的を踏まえて、投資信託を含む金融商品の選択肢を提示できる相談先の一つである。

ただし、取扱商品、提携金融機関、報酬体系、相談できる範囲はIFAによって異なる。相談する際は、どのような商品を扱っているか、手数料や報酬がどのように発生するかを事前に確認しよう。

資産運用戦略の策定を相談できる

投資信託を選ぶ際は、単に利回りの高い商品を探すだけでなく、資産全体の配分を考えることが重要だ。

例えば、預貯金、国内株式、外国株式、債券、REITなどをどのような割合で持つかによって、資産全体のリスクとリターンは変わる。IFAに相談すれば、運用目的やリスク許容度に応じて、資産配分や商品選びの考え方を整理しやすくなる。

投資信託を購入すべきだと思っていても、資金の使い道や運用期間によっては、別の商品や現金比率の見直しが必要になる場合もある。自分だけで判断しにくい場合は、複数の選択肢を比較しながら検討しよう。

投資信託選びの手間を軽減できる

投資信託は数が多く、投資対象、コスト、運用実績、分配方針を一つひとつ比較するには手間がかかる。

IFAに相談することで、自分の目的やリスク許容度に合う候補を絞り込みやすくなる。投資判断に必要な情報を整理してもらえる点は、商品選びに時間をかけにくい人にとってメリットとなるだろう。

一方で、最終的な投資判断は投資家自身が行う必要がある。提案内容をそのまま受け入れるのではなく、費用、リスク、提案理由を確認したうえで判断することが大切だ。

まとめ

この記事では、投資信託の利回りの考え方、平均利回りの目安、利回りを見る際の注意点、商品選びのポイントを解説した。

投資信託には、すべての商品に共通する平均利回りがあるわけではない。長期・積立・分散投資では年率2〜8%程度に収れんした試算もあるが、これは特定条件に基づく目安であり、将来の運用成果を保証するものではない。

投資信託を選ぶ際は、過去のリターンだけでなく、投資対象、リスク、コスト、分配方針、税金の影響を確認し、自分のリスク許容度に合う商品を選ぶことが重要である。

自分で比較するのが難しい場合は、IFAなどの専門家に相談し、どのような商品や資産配分が自分に合うかを確認してみよう。

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出典

金融庁「NISAを知る」
金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(公開日:2019年6月3日)
国税庁「No.1331 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」(掲載日:2025年4月1日)
国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」(掲載日:2025年4月1日)
資産運用業協会「投資信託とは」
資産運用業協会「投資信託が持つリスク」
資産運用業協会「投資信託のコスト」
資産運用業協会「税金・手数料の知識」
資産運用業協会「目論見書」
資産運用業協会「運用報告書」
資産運用業協会「基準価額を調べる」
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)」

執筆者

資産運用ナビ編集部は、アドバイザーナビ株式会社が運営する金融専門ライターチーム。資産運用アドバイザーと投資家をマッチングするプラットフォーム「資産運用ナビ」を通じて、延べ10,000名を超える相談を支援。おすすめの資産運用おすすめのIFAなど、読者が自身に最適な資産運用の相談先を見つけることができるよう、適切な情報発信に努めている。