- 不動産投資の投資先をどう選べばよいのかわからない
- 投資先選びの注意点が知りたい
- 不動産投資で失敗しないためのポイントが知りたい
不動産投資は、将来の資産形成や安定収入を目指す有効な手段だ。
しかし、立地条件、物件の特徴および収益性など、さまざまポイントを総合的に判断しなければ、大きなリスクを背負いかねない。
本記事では、投資対象の選び方の基本から、選定にあたって注意すべきポイント、さらには不動産投資全般に関わる重要事項までを解説する。
これから不動産投資を始める方や経験が浅い方、投資先選びに悩んでいる方は、参考にして欲しい。
不動産投資の基本的な選び方
不動産投資で投資先を選ぶなら、まず取り組むべきは投資計画を立てることである。
これに基づき、投資エリアおよび物件タイプを決め、利回りと収益性の計算を行って投資先を絞り込む。
そのうえで現地調査とデューデリジェンスを行い、法的問題や隠れた瑕疵がないかを確認して、決定するというのが基本の流れだ。
以下では、この基本ステップの中心部分である「投資エリア絞り込み」「物件タイプの決定」「収益性の確認」の3ポイントを詳しく解説していく。
投資エリアを絞り込む
立地は、需要や賃料、将来的な価値の変動に大きく影響するため、もっとも重視すべきポイントだ。
まず大まかなエリアを決めて、そのエリア内で交通アクセスや生活インフラなどの条件を考慮し絞り込んでいく。
エリアを絞り込む際にチェックすべき点は、以下のとおりだ。
- 人口動態
- 人口増加傾向にあるか、若年層の割合が高いかなど、将来的な需要の見通しを確認する
- 子育て世帯が多く、高齢化率が低いエリアは、長期的に安定した需要が期待できる
- 経済状況
- 地域の主要産業や企業の動向、雇用状況などを把握し、発展が見込まれるエリアを選ぶ
- インフラ整備や商業施設の増加など、不動産価値の向上が見込めるエリアに注目する
- 交通アクセス
- 主要な駅やバス停までの距離、都心部へのアクセス性を確認
- 利便性の高いエリアは、入居者の需要が高く、賃料設定も有利になる
- 生活インフラ
- スーパーやコンビニ、学校、病院、公園など、日常生活に必要な施設が充実しているかを確認する
- 住環境の良いエリアは、入居者の満足度が高く、長期的な入居につながる
- 自然災害リスク
- 洪水や地震、津波などの自然災害リスクが低いエリアを選ぶ
- ハザードマップなどで、過去の被害状況や将来の発生確率を確認することが重要
物件タイプを決める
エリアを絞り込むことと並行して、物件タイプも検討しよう。
商業用、物流施設などさまざまな対象への投資が可能だが、不動産投資の経験が浅い方には、国内の住宅用不動産から始めるのが無難だろう。
住宅用不動産は比較的リスクが低く、管理も容易だ。実際に運用しながら、投資のノウハウを学ぶこともできる。
以下に、住宅用不動産のタイプと、選定の際にみるべきポイントを整理する。
マンションの区分投資
区分投資は、新築または中古のマンションの一室を購入し、その部屋を賃貸する投資方法だ。
初期費用が比較的安く、管理の手間がかからないうえ売却もしやすい。
初心者には取り組みやすい方法だ。
- 賃貸需要が高いエリアを選ぶ。空室リスクを回避できるうえ、売却可能性も高まる
- 管理組合の運営状況や修繕計画がしっかりしている物件を選ぶ
- 外装や共用部分の状態、部屋内部の設備の充実度を確認し、リフォーム等を検討する
新築を選ぶか中古を選ぶかは、投資目的や期待する効果に合わせて決定する。
新築や築浅の物件は、購入費用が高いため利回りは低くなるが、メンテナンスコストが低い。
一方、築古物件は価格が安いため利回りは高くなるが、リフォーム費用を要するため空室リスクが高い。
この点は、次の一棟投資においても同様である。
マンション・アパートの一棟投資
一棟投資は、マンションやアパートの全体を購入し、複数の部屋を賃貸する方法だ。
初期費用は高くなるが収益性は高く、空室リスクを分散できるメリットがある。
しかし、管理の煩雑さや売却の難しさを併せ持つため、経験者向きの投資と言える。
- 自分の予算に合った規模の物件を選び、無理な投資はしない
- 利回りやキャッシュフロー見込みは精緻に行い、安定的な収益が見込める物件を選ぶ
- 大規模修繕や災害復旧などに備えた資金準備も計画に含める
- 建物の耐震性や構造を確認し、長期的に安定した運用ができる物件を選ぶ
一戸建て
戸建て物件を購入し、賃貸に出して収入を得る方法だ。
ファミリー層の賃貸需要が高く、長期的に安定した家賃収入が期待できる。
マンションと異なり共有部分がないため負担は減るが、管理には手間がかかり、修繕は自身で計画して費用負担をしなければならない。
- 地方での投資が多い一戸建て投資では、ファミリー層の賃貸需要があるエリアを選ぶことが重要
- 購入前にホームインスペクター(住宅診断士)による物件調査を行い、修繕が必要な箇所や将来的な修繕費用を見積もる
- 管理方法および費用を事前に検討しておく
利回りと収益性を確認する
不動産投資で物件を選ぶ際、収益性の高い物件を選ぶことで、投資のリスクを抑えつつ、長期的に安定した収入を得ることが可能になる。
物件の収益性を判断する目安としては、以下のような点が挙げられる。
- 表面利回りと実質利回りが、市場平均と比べて高いか
- キャッシュフローがプラスで、安定的に黒字を維持できるか
- 将来的な家賃の上昇余地や、物件の資産価値の向上が見込めるか
収益性と利回り、およびキャッシュフローは、以下の方法で導き出せる。
① 物件の年間家賃収入を計算
② 年間経費を見積もる
年間にかかる経費には、主に以下のようなものがある。
- ローンの返済額(元利合計)
- 固定資産税、都市計画税などの税金
- 諸経費(管理費、修繕積立金、火災保険料、水道光熱費など)
- 空室期間中の家賃損失や、入居者の入れ替わりに伴う原状回復費用
③年間収支を計算する
④ 利回りを計算する
- 表面利回り(グロス利回り)= 年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100(%)
- 実質利回り(ネット利回り)= 年間収支 ÷ 物件購入価格 × 100(%)
⑤ キャッシュフローを試算する
不動産投資の投資先選びで気をつけるべきポイント
前項で解説したステップによる投資先選定では、以下の点に注意が必要だ。
投資計画に基づき投資先選定を行う
物件選定の前には、投資計画の策定が不可欠だ。目標とする利回りや投資期間、出口戦略などを明確にし、これに基づきすすめることで、リスクを管理しながら安定的な収益獲得が目指せるからである。
以下のステップで、投資計画を作ろう。
そしてこれらを物件選定に反映していく。
- 投資目的を明確にする
- 物件タイプや立地、築年数などの条件を投資目的に基づき設定する
- 投資期間を設定する
- 投資期間に応じて、物件の選定基準や資金計画を立てる
- 出口戦略の策定
- 戦略に合わせて、物件の立地や築年数、市場性などを考慮する
- キャッシュフローの試算
- 資金管理計画の立案と、リスクに備えた資金準備の検討
- リスク管理方針の決定(空室リスク、金利変動リスク、自然災害リスクなど)
- リスクの許容範囲を決め、それに基づいて物件選定の基準を設ける
リスクとリターンのバランスを取る
不動産投資においては、リスクとリターンのバランスを適切に保ち、過度なリスクを取らないようにすることが重要だ。
投資においては一般的に、高いリターンには高いリスクを伴う。
不動産投資においても同様で、利回りの高い物件は、立地や建物の状態に問題があるなどの一定のリスクを覚悟しなければならない。
投資家は、自分の投資目的やリスク許容度に合わせて、最適なバランスを見出す必要がある。
注意すべきは、以下のような点だ。
- 対象エリアの不動産市況や価格動向を分析
- 将来的な市場の変化を予測し、リスクとリターンを見極める
- 物件の立地や条件の評価
- 賃貸需要や周辺の競合物件の状況を考慮し、空室リスクを判断する
- 自己資金の額や借入可能額を考慮
- 適切な価格帯の物件を選び、過度な負債を抱えない
- 市場の変動や経済状況を確認する
- 必要に応じて物件の売却や追加投資を行い、最適なポートフォリオを維持する
情報収集を怠らない
不動産投資では、投資先の選定から物件の運用、売却に至るまで、常に情報収集を怠らないことが重要だ。
投資に影響する情報を適時に収集し、分析できてはじめて、リスクを適切に評価し、より投資意思決定ができるからだ。
投資判断に必要な情報としては、以下のようなものが挙げられる。
- 不動産市況や価格動向、賃貸需要の動向
- 物件および周辺地域の詳細情報(立地、建物の状態、アクセス、施設、将来の開発計画など)
- 法的情報(権利関係、都市計画、建築規制など)
- 税務情報(固定資産税、都市計画税、譲渡所得税など)
- 自然災害リスク情報(ハザードマップ、過去の被害状況など)
- 物件の収支情報(賃料、稼働率、経費など)
これらの情報を収集するためには、現地調査やデューデリジェンス(物件の詳細調査)が不可欠となる。また、専門家への相談は、投資リスクを軽減し、適切な投資判断を下すために欠かせない。
選び方以外も重要!不動産投資で欠かせないポイント
不動産投資では、物件選びはもちろん重要だが、それだけでは十分なわけではない。
投資成功を目指すなら、ほかにもさまざまな要素に目を配る必要がある。
ここでは、不動産投資の成功の鍵となる、購入価格の妥当性評価、物件の適切な管理、および不動産投資に臨む姿勢という3つのポイントを解説する。
購入価格の妥当性を評価する
購入価格の妥当性を評価することは、過剰な支出を避け、投資の収益性を高めることに直結する。
適正価格での物件購入は、初期投資を抑え、将来的なキャッシュフローを安定させるために欠かせない。
- 市場価格の調査
- 同じエリアや似た条件の物件の価格を調査し、適正な購入価格を把握する
- インターネットの不動産情報サイトや、専門家のアドバイスを参考にして欲しい
- 収益性の計算
- 購入価格に対して予想される賃料収入を基に、表面利回りや実質利回りを計算する
- これにより、購入価格が適正かどうかが判断できる
- 交渉
- 購入価格に納得できない場合は、調査した市場価格や収益性のデータを根拠として、売主との価格交渉を行う
- 物件の品質チェック
- 建物の構造や設備の状態、管理状況などを十分にチェックする
物件を適切に管理する
物件の適切な管理は、入居者の満足度を高め、長期的な入居を促進するために大切だ。
もちろん、物件の価値を維持・向上させることにもつながる。
- 管理会社の選定
- 信頼できる管理会社を選び、物件の管理を委託する
- 入居者募集、家賃回収、トラブル対応など手間を減らせる
- 定期的なメンテナンス
- 建物の外装や共用部分、設備の定期的なメンテナンスを行う
- 修繕計画の立案
- 長期的な視点で修繕計画を立て、大規模修繕や設備の更新を計画的に実施する
- 価値保全だけでなく、突発的な修繕費用の発生による資金不足のリスクも軽減される
長期的な視点を持ち学び続ける
不動産投資には長期的な視点を持つことが大切だ。
適切に取り組むことで、安定した収入を得られ、資産形成に役立てることができる。
- 長期的な視点を持つ
- 投資方針は一貫させるべきであり、物件選定からメンテナンスまで長期的な視点を持つべきである
- 短期的な利益に囚われず、物件の価値を維持・向上させることに注力する
- 学び続ける
- 不動産投資の環境は常に変化しているため、常に学ぶ姿勢を持ち、適応していく必要がある
- セミナーや勉強会に参加し、専門家のアドバイスを受けるようにすると良い
- リスク管理
- ポートフォリオの多様化や保険の活用なども検討し、投資に伴うリスクを評価し管理する
- 単一の物件や地域に偏らず、分散投資することでリスクを軽減できる
- ポートフォリオの多様化や保険の活用なども検討し、投資に伴うリスクを評価し管理する
不動産投資の投資先選びに迷ったら誰に相談するべき?
不動産投資を成功させるには、立地選定、物件選び、資金調達、リフォーム、賃貸管理など、さまざまな分野の知識と経験が必要だ。
これらすべてをひとりで完璧にこなすのは難しい。
しかし、専門家の助けを借りれば、成功への道が大きく開ける。
独立系フィナンシャルアドバイザー「IFA」とは
不動産投資を成功させるためには、専門家との協働が不可欠だ。
できれば、IFAを中心として、多角的なアドバイスを受けることが鍵ととなる。
IFAとは、特定の金融機関に属さず、幅広い金融商品を提案できる資産運用の専門家だ。
投資家の利益を最優先に考え、最適なアドバイスを提供する。
不動産投資におけるIFAの役割
不動産投資でIFAは、投資物件の資金調達面でキーマンとなる。
借入金額の設定、金利タイプの選択、返済期間の決定など、投資収支を左右する重要事項についてアドバイスする。
IFAは、金融機関との交渉力や、税務・法務の専門家とのネットワークを有している。
ワンストップで包括的なサポートが受けられる点も、IFAを活用する魅力だろう。
IFA探しは「資産運用ナビ」で容易になる
しかし、優秀なIFAを見つけるのは、簡単なことではない。
資格や経験、評判などを慎重に確認し、提案内容や対応の比較検討が必要になるからだ。
これらの作業を容易にしてくれるのが、検索サービス「資産運用ナビ」だ。
高度な検索機能により、簡単な質問に答えるだけで最適なIFA候補を複数提案してくれる。
専門家の情報も充実しているため、詳細情報の確認や比較も簡単に行える。
不動産投資物件を選ぶならIFAに相談しよう!
本記事では、不動産投資における物件選定について詳しく解説した。
不動産投資においては、立地の良い物件選定が重要だ。
加えて、不動産市場やエリアの動向、法令や税金にも知見がなければ、収益を最大化することは難しい。
適切な情報収集と分析を行い、これを投資計画に反映させることが必要になる。
そのためには、専門家のアドバイスは欠かせない。
ぜひ「資産運用ナビ」を活用して、あなたに合ったIFAを見つけて欲しい。