- 資産運用のメリットは効率的に資産を増やせること
- 初心者におすすめの資産運用は株式・投資信託
- おすすめの資産運用の方法は主に年代・運用額などで異なる
- 効率的な投資戦略を立てるなら「資産運用ナビ」でアドバイザーに相談がおすすめ
昨今、NISAやiDeCoなど資産運用に関する報道や広告を多く目にするようになった。
しかし、実際のところは「どうやって始めればいいのか分からない」「どの金融商品を選べばいいのか分からない」と頭を悩ませている方がほとんどではないだろうか。
そこでこの記事では、投資初心者や年代別・運用資産の金額別におすすめの運用法を解説していく。また、初心者でも安心して運用を始めることができるよう、資産運用の基本知識や資産運用の始め方についても合わせて解説する。
そもそも資産運用とは?
資産運用とは、今手元にある金融資産を投資によって増やすことである。
例えば、預けた金額に対して利息がつく定期預金も資産運用の一例だ。預入期間と預金利率に基づいて利息が受け取れるため、預入期間が終われば元本よりも資産が増えているというわけだ。
資産運用と聞くと株式などリスクの高い方法をイメージしがちだが、「今ある資産をもとに利益を得る」という意味では、定期預金も立派な資産運用だといえる。
なお、代表的な資産運用の種類については以下の記事でもまとめたので参考にしてほしい。
資産運用はなぜ大切?
資産運用への注目が高まるにつれて、「資産運用は若いうちから行うべき」「資産運用に取り組まないともったいない」という声が目立つようになった。
しかしながら、「やはりリスクも伴う資産運用はしないほうがいいのではないか」と考える人もいることだろう。
ただ、資産運用がこれほどまでに注目されている要因の一つには、国内の長引く低金利環境がある。
2016年から導入されたマイナス金利政策により、日本の金融機関の預金利率はゼロに等しい状況となっている。2024年10月時点ではメガバンクの普通預金金利が0.1%で、定期預金で0.125%まで上昇したが、それでも期待できる資産増加は限定的だ。
さらにバブル期は6%台の預金金利だったことと比較すると、いかに金利が低下しているかが分かるだろう。
このような環境下で資産を増やすためには、ただ預金に預けておくだけでなく、自ら株式や投資信託などの有価証券に投資して、資産を効率的に増やしていくことが必要不可欠なのである。
資産運用のメリットとデメリット
投資に取り組むなら、事前に資産運用のメリット・デメリットについて理解しておく必要がある。
メリット | デメリット |
効率よく資産を増やせる 非課税制度を活用できる 将来の備えになる | 商品によってはリスクがある 知識や情報収集が必要 資金が拘束されるものがある |
効率良く資産を増やして将来に備えられる
資産運用の最大のメリットは、効率よく資産を増やせることだ。銀行預金だけでは期待できない資産の成長期待でき、結婚や出産、住宅購入などのライフイベントに活用できるだろう。
また、NISA・iDeCoなどの非課税制度を活用できるメリットもある。政府も「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと資産運用を後押しする制度を策定している。
特に、2024年から開始した新NISAでは運用期間の制限がなくなり、制度自体も恒久化された。さらに非課税枠も拡大されたため、上手に活用すれば老後に向けた備えを蓄えることもできるだろう。
元本割れリスクと資金管理には注意
しかし、株式や投資信託など価格が変動する金融商品で資産運用を行う際には元本割れのリスクは避けられない。市況の変動によっては大きな損失を被ることもあるだろう。
また、継続的に利益を積み上げていくためには、金融知識や経済動向、国際情勢など、マーケットの変動に関わる情報を収集・分析することも欠かせない。特に初心者にとってはハードルが高いといえるだろう。
さらに、投資信託など一部の金融商品は売却から換金までに最大で一週間ほどの時間がかかるケースもある。運用に回すのは余剰資金の範囲にとどめるなど、資金管理を徹底しなければ必要な時に手元にお金が用意できない、という最悪の事態も考えられるのだ。
これらのことから、資産運用はリスクを踏まえたうえで取り組むことが重要だといえる。
資産運用で考えられるリスク
そもそも資産運用におけるリスクとは、「危険性」を意味する言葉ではなく、「価格の振れ幅」のことを指している。
先ほど資産運用には元本割れの可能性があることを説明したが、では具体的にどのような場合に価格が変動するのだろうか。主なリスクは次の通りだ。
リスク | 概要 |
---|---|
価格変動リスク | 価格が上下するリスク |
信用リスク | 株式・債券の発行体が債務不履行に陥るリスク |
流動性リスク | 市場での流通量が少なく、売買が行えないリスク |
為替リスク | 為替の変動によって円建てでの資産価値が上下するリスク |
金利変動リスク | 金利の変動によって債券の価格が上下するリスク |
これらのリスクの度合い、具体的にはどの程度の損失がでるのかについては、株式や債券などの投資する先によって異なる。代表的な投資手法を例に挙げて説明すると、株式は相対的にリスクが高く、債券は比較的安全、また投資信託が2つの間といった形だ。
資産運用に取り組む際、まずは「投資先にどのようなリスクがあるのか」をきちんと理解することが大切だ。
なお、資産運用においてはリスクとリターンが比例関係にあることも合わせて理解しておきたい。リスクが高い、つまり価格の振れ幅が大きいということは、その分投資で得られるリターンが大きくなる可能性もあるというわけだ。
このことからわかるように、「リスクをとらずに大きなリターンを狙う」ことは難しい。
そのため、投資先を選ぶ時は「どのくらいの利益が欲しいのか」だけではなく、「その投資先のリスクを自分が許容できるのか」を総合的に判断する必要があるといえる。
資産運用におすすめの手法
一口に運用といっても、実際資産運用の手法はさまざまである。では、その中で初心者におすすめの手法はどれになるのだろうか。そこでここでは、初心者におすすめしたい以下の4つの運用手法を解説する。
- 株式
- 投資信託
- ETF
- 債券
株式
株式投資は、企業が発行する株式を購入し、キャピタルゲインやインカムゲインによって利益を得る方法である。
キャピタルゲインとは、保有している資産を売却することによって得られる売却差益のことだ。株式投資においては「安い株価で買って値上がりしたら売る」ことで、比較的まとまった利益を得られる可能性がある。
ただし、売買のタイミングは経済指標やテクニカル分析などを取り入れながら慎重に判断することが重要だ。
また、インカムゲインとは資産を保有していることで得られる利益のことで、株式投資においては配当金や株主優待がこれにあたる。
配当金が出る銘柄では定期的に利益を受け取れることから、頻繁に売買を行わない人でも投資の楽しみを実感できるメリットがある。
なお、日本株には株主優待を実施する企業もあり、株主優待の利用を目的に投資に取り組む人も少なくない。
株主優待の内容は商品券や自社商品などさまざまあるため、優待内容から投資先を選ぶのもひとつの方法だ。
投資信託
投資信託とは、株式や債券、REITなど複数の銘柄を組み合わせて運用する金融商品である。
組み入れられる銘柄は「ファンドマネージャー」と呼ばれるプロによって選定されるため、投資家は運用の手間がかからないメリットがある。
現在、国内の投資信託には約6,000本の種類があるが、大きく区分すると次のような種類に分けられる。
- 国内株式
- 海外株式
- 国内債券
- 海外債券
- 国内REIT
- 海外REIT
- バランスファンド
バランスファンドとは、株式や債券など異なる金融資産を組み合わせて運用するファンドのことである。
1つのファンドに投資するだけで分散投資の効果が得られるため、「リスクを抑えて分散投資したい」という人におすすめの金融商品だ。
また、投資初心者でも安心して取り組めるとして注目されているおまかせ資産運用は投資信託でも実践できる。より詳しく知りたい人はこの記事を参考にするといいだろう。
ETF
ETFとは「上場投資信託」と呼ばれるもので、名前の通り株式市場に上場している投資信託である。
投資信託では「1日1価格」となっており、売買が約定するまで価格が分からない「ブラインド方式」が採用されている。
しかし、ETFは株式市場に流通しているため、上場株式のようにリアルタイムで売買することが可能だ。
現在、東京証券取引所に上場しているETFは約300本と、一般の投資信託に比べると数は少ないものの、「1つのファンドで分散投資したい」「値動きを見ながら売買したい」という人はETFへの投資を検討してみるとよいだろう。
債券
債券とは、企業や国、自治体が発行するもので、あらかじめ利率や満期が決められていることが特徴だ。
株式投資に比べてリスクが小さく、運用期間や収益に見通しが付きやすいメリットがある。
発行体の信用力に変化がなければ、満期を迎えるまでの間は定期的に利息が支払われるため、「投資の楽しみがほしい」という人に向いている。
ただし、低金利環境が続く日本では、国内債券の金利はほとんどつかない状況だ。
たとえば、2023年10月募集分の個人向け国債は、最も利率が高い10年ものでも0.51%(税引前)の利回りである。
債券で一定の利回りを得たい場合は、海外債券に投資することも検討するとよいだろう。
重要!資産運用に取り組むための5つのポイント
資産運用に適切に取り組むためには、次の5つのポイントを押さえておきたい。
- 自分のリスク許容度を知る
- 運用計画を立てる
- 一括投資と積立投資を使い分ける
- バランスよくポートフォリオを組む
- 長期投資を心がける
それぞれくわしく解説していこう。
自分のリスク許容度を知る
リスク許容度とは、「どれくらいの損失を許容できるか」ということである。
たとえば、「5年後に子供が大学に進学する」「来年マイホームの購入を予定している」という人が高いリスクを負うのは適切とはいえない。
いざ資金が必要となったときに、元本が割れている可能性があるためだ。
適切にリスクをコントロールするためには、自分の年齢や家族構成、ライフイベントなどを考慮したうえでリスク許容度を設定することが重要だ。
運用計画を立てる
資産運用に取り組む際は、あらかじめ運用計画を立てることもポイントだ。運用計画を立てるなら、次のような点を明確にしておきたい。
- 資産運用を行う目的
- 資産運用に取り組む期間
- 目指したい利回り
- 投資に回す金額
- 控えているライフイベントと見込まれる出費額
まずは何のために運用を行うのかを明らかにしよう。目的が明確になれば、「どのくらいの期間で」「いくらの利益を目指して」運用するのかも自ずと明らかになっていくはずだ。
また、「自分が投資にいくら使えるのか」も必ず事前に把握してから取り組むべきだ。資産を大きく分けると生活費などすぐに使うお金、あらかじめ用途が決まっているお金、これ以外の余剰資金の3つに分類できるはずだ。そして、この余剰資金の範囲内で投資を行うことが重要である。
あらかじめこのような資金の分類わけができていなければ、損失を取り返そう、さらに大きな利益を積もうと感情的に取引してしまい、必要な時に手元の資金が足りなくなってしまう恐れもある。
このように、運用計画が明確でなければ必要以上のリスクを取ってしまったり、反対に必要な利回りが得られない可能性もある。
適切に資産を管理するためにも、ライフイベントと見込まれる出費額なども具体的にイメージし、まずは運用計画を立てることから始めよう。
なお、資産運用をいくらから始めるべきか、その判断に迷った際は以下の記事も参考にしてほしい。
バランスよくポートフォリオを組む
ポートフォリオとは、自身が持つ金融商品の組み合わせ(資産構成)のことだ。
資産運用に取り組む際は、資産全体のバランスを考えながらポートフォリオを組む必要がある。
ポートフォリオを組む際は、1つの金融商品に集中投資するのではなく、異なる金融商品に分散投資することを心がけたい。
たとえば、株式などリスク・リターンが高い金融商品と、反対にリスク・リターンが低い債券などをバランスよく持つことが望ましい。
また、ポートフォリオ内の構成比は、年齢やライフステージによっても変わってくる。
長期の運用期間が確保できる若年層は、資産を増やすために多少のリスクを取ってリターンを追求してもよいだろう。
一方、シニア世代は、老後収入の安定確保を考え、リターンが低くともリスクを抑えた金融商品比率を高めた方が無難だ。
なお、本記事では年代別・ライフステージ別の運用方法についても紹介しているため、併せてそちらも参考にしていただきたい。
一括投資と積立投資を使い分ける
実際に金融商品を購入する際は、まとまった資金を投じる「一括投資」と、コツコツ一定額を買い付ける「積立投資」の2種類を使い分けると良い。
一括投資と積立投資には、それぞれ次のようなメリット・デメリットが挙げられる。
メリット | デメリット | |
一括投資 | 上場局面で利益が出やすい 短期間で運用成果を出せる | 投資のタイミングが難しい 下落局面で大きな損失となる |
積立投資 | 投資のタイミングを分散できる 少額投資から始められる | 短期間でまとまった利益を得られない 上昇局面では一括投資のほうが有利 |
相場が上昇局面のときには一括投資の方が成果が出やすいが、上下に動く局面では積立投資によってリスク分散ができる。
資産運用に取り組む際は、マーケットの状況を見ながら一括投資と積立投資を上手に使い分けたい。
たとえば、「普段は積立投資でコツコツと積み立てて、価格が10%下落したら◯万円一括投資する」など、目安を作っておくことがおすすめだ。
長期投資を心がける
資産運用に取り組む際は、長期投資を心がけることも意識したい。
資産運用を始めたばかりのときは、ちょっとした値動きが不安になってすぐに資産を売却してしまう例も少なくない。
しかし、短期目線での値下がりに動揺して売却を繰り返していると、結果的に損失が積み上がってしまう。
もちろん大きな市場変動の際は損切りなどで対応する必要があるものの、そうでない場合は長期投資を前提に静観することも重要だ。
資産運用で活用したいおすすめの制度
資産運用に取り組むときは、ぜひ非課税制度を活用することがおすすめだ。ここでは、NISAとiDeCoについて紹介しよう。
NISA(少額投資非課税制度)
NISAとは、株式や投資信託から得た利益が非課税となる制度だ。2014年からスタートした制度だが、2024年に大きく制度改正されることが決定している。
新しいNISAの概要は下記の通りだ。
新しいNISA
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税期間 | 恒久化 | |
非課税保有限度額 | 1,800万円 (内、成長投資枠は最大1,200万円) | |
対象となる金融商品 | 現行つみたてNISAと同様 | 株式 投資信託 ETF (※一部対象外あり) |
新しいNISAでは非課税期間が無期限化されたことに加えて、毎年の非課税枠も360万円まで拡大された。
1人あたり最大1,800万円まで非課税で運用できるため、さらに長期投資に適した制度へとなる見込みだ。
また、2023年までのNISAでは「つみたてNISA」と「一般NISA」の選択制だったが、新しいNISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が併用可能となる。
これにより、「つみたて投資枠でコツコツと投資信託を積み立てながら、成長投資枠で配当株を保有する」といった活用もできるようになる。
ぜひ、自分の投資意向に合った活用方法を探してみよう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoとは「個人型確定拠出年金」と呼ばれる制度で、公的年金とは別に私的年金を準備するための制度である。
iDeCoの掛金は自ら選んだ金融商品で運用し、その運用成果を年金として受け取ることが可能だ。
また、iDeCoは税制メリットが大きいことも特徴である。特に現役世代にとってメリットが大きいのが、「掛金が全額所得控除される」という点だ。
たとえば、月2万円拠出した場合、年間24万円を所得から控除することができる。現在納めている所得税や住民税の負担を軽減できるため、資産運用と税金対策が両立できる制度といえる。
なお、掛金は加入資格によって上限額が定められており、詳細は下記の通りだ。
加入資格 | 月額限度額 | |
---|---|---|
第1号被保険者(自営業者) | 6万8,000円 | |
第2号被保険者(会社員・公務員) | 企業年金がない会社員 | 2万3,000円 |
企業型DCに加入している会社員 | 2万円 | |
・DBと企業型DCに加入している会社員 ・DBのみに加入している会社員 ・公務員 | 1万2,000円 | |
第3号被保険者(専業主婦・主夫) | 2万3,000円 |
また、iDeCoに拠出したお金は原則60歳まで引き出しができない。その点を踏まえたうえで、「今すぐに使うことはない」という金額の範囲内で加入を検討してみるとよいだろう。
【年代別】おすすめの資産運用とは?
資産運用の取り組み方は年代によって異なる。ここからは、年代別のおすすめの資産運用について解説していこう。
年代別のおすすめの資産運用 |
---|
20代におすすめの資産運用 |
30代におすすめの資産運用 |
40代におすすめの資産運用 |
50代におすすめの資産運用 |
60代におすすめの資産運用 |
70代におすすめの資産運用 |
80代におすすめの資産運用 |
20代におすすめの資産運用
社会に出たばかりの20代では、まず収支をしっかりと管理することが大切だ。
受け取った給与を無計画に使うのではなく、生活費をきちんと把握したうえで資産運用に回せる金額を算出してみよう。
その際は、無理のない金額で資産運用に取り組むことを検討したい。20代ではまとまった資金を築くよりも、資産運用に慣れることが重要であるためだ。
まずは、「この金額なら続けられるかな」という範囲内で資産運用を始めてみよう。
そのうえで20代におすすめの資産運用は、少額から始められる投資信託だ。
証券会社によってはワンコインから積立投資を始められるところもあるため、NISA制度を活用しながら資産運用に取り組もう。
なお、20代では資産運用だけでなく「生活防衛資金」を貯蓄しておくことも重視したい。生活防衛資金とは、病気やケガなど万が一の事態が起きたときのための生活費だ。
生活費以外をすべて資産運用に回していると、大きな出費がある際に手元の現金で対応ができない。
想定外の出費に対応するためには、およそ半年分の生活費を預貯金に置いておくと安心だ。
弊社が20代投資家に実施したアンケートでは、保有資産における運用資産の割合が全体平均で34.3%となった。この数値が高いか低いかは個人のリスク許容度によって異なるが、運用額を決める一つの目安にしてみると良いだろう。
30代におすすめの資産運用
長い運用期間がとれる30代では、積極的に資産運用に取り組むことを検討したい。
株式型の投資信託をポートフォリオのメインにしたり、個別株式への投資にチャレンジしたりなど、リスクを取った運用もよいだろう。
30代投資家を対象とした弊社のアンケートにてポートフォリオについて確認したところ、投資信託と株式を中心に、各投資家は様々な資産クラスを組み合わせていた。
個人の運用目標やリスク許容度によって、適切なポートフォリオの形は変わってくるのである。
また、30代では私的年金への備えとしてiDeCoの活用も検討したい。ここで、iDeCoを利用した場合の運用成果と節税効果をシミュレーションしてみよう。
- 33歳(積立期間32年間)
- 企業年金がない会社員(第2号被保険者)
- 年収500万円で、iDeCoに毎月2万円拠出
仮に年利3%で運用した場合、得られる運用成果は下記の通りだ。
- 積立元本
- 768万円
- 運用益
- 518万8,556円
- 積立元金+運用益
- 1,286万8,556円
また、積立中に得られる税負担の軽減効果は次の通りである。
- 1年間
- 4万8,000円
- 32年間
- 153万6,000円
なお、iDeCoでは掛金の運用先を自ら選定するが、その際はNISAで保有している投資信託や個別株式とのバランスにも注意したい。
たとえば、NISAで先進国株式の割合が多い場合は、iDeCoはリスクを抑えた運用にするなど、全体のリスクを適切にコントロールすることが重要だ。
40代におすすめの資産運用
マイホームの取得や子供の教育費など、まとまった出費が多くなる40代では、収支バランスが大きく変化することも珍しくない。
ライフステージの変化が起きたり、まとまった資金が必要となったりしたときは、改めて家計の見直しを行うことが重要だ。
たとえば、住宅ローンを組んだことによってこれまでよりも月々の支出が増えた場合は、資産運用に回す金額を減額することも検討したい。
マイホーム取得などの大きなライフイベントは収支バランスを崩すきっかけにもなりかねないため、「無理して資産運用を続ける」よりも「収支を安定させること」を重視するようにしよう。
一方、40代では昇進などによって収入が増える人もいるだろう。収支に余裕ができた場合は、積立投資やiDeCoを増額することもおすすめだ。
40代でも20年ほど運用期間を取れるため、リスク許容度は高めに設定しておいても問題ないといえる。
実際に40代投資家に実施したアンケートでは、20代や30代のアンケート結果と比較して運用資金の割合を増やしている回答者が多かった。
ただし、運用資金を増やす場合も、近々控えているライフイベントや出費などを考慮して、リスクをコントロールすることは忘れずに行おう。
50・60代におすすめの資産運用
セカンドライフが近づく50・60代では、徐々にリスク許容度を下げていく必要がある。
これまで株式型ファンドや個別株などをメインに運用していた場合は、債券の割合を多めにするなど、保守的な運用に切り替えていこう。
弊社が60代投資家に実施したアンケートでも、保有資産における運用資産の割合を40%台までに設定している回答者が8割超にのぼった。
また、退職金受取の予定がある人は、その使い道についても早めに検討しておきたい。「定年退職後もしばらくは働き続ける」という場合は、退職金の一部を資産運用に回すのもひとつの方法だ。
リタイア時期や年金受取開始までの期間を考慮したうえで、リスクの低い商品で運用するようにしよう。
なお、定年退職後に働き続ける場合であっても、退職金全額を資産運用に回すことはおすすめできない。万が一元本が割れてしまうようなことがあると、老後の生活に大きな支障が出るためだ。
退職金を原資に運用する際は、一定額を預貯金に確保することを意識しよう。
また、ここまで解説してきた年代別の運用のポイントや具体的な手法のほかにも、どのような失敗例があるのかも事前に把握しておきたい。以下の記事で年代別によくある資産運用の失敗例をまとめたので、リスク管理の一部としてぜひ参考にしていただきたい。
【金額別】おすすめの資産運用とは?
資産運用の方法は、原資の金額によっても異なる。ここからは、おすすめの資産運用について運用金額別に紹介していこう。
1,000万円の運用におすすめの方法
1,000万円は多くの人が貯蓄の目安としている基準だ。1,000万円をまとめて資産運用する場合は、複数の金融商品に分散投資することを検討したい。
たとえば、「日本株に300万円、海外株式に200万円、国内債券に200万円、海外債券に300万円」など異なる値動きの金融商品に分散投資することが重要だ。
また、2024年からスタートする新NISAでは、生涯投資枠として1,800万円の非課税枠がある。1,000万円を投資する場合は、新NISAの非課税枠を活用するのもよいだろう。
ただし、新NISAにおける年間の非課税枠は360万円であるため、3年間に分けて分散投資することとなる。1,000万円を一度に投資できない点は留意しておこう。
2,000万円の運用におすすめの方法
2,000万円での運用の場合も、先ほどと同じく分散投資が大きなポイントだ。1つの金融商品に集中投資するのではなく、必ず複数の商品に分散投資するようにしよう。
また、2,000万円の資産運用であれば、不労所得の実現も可能だ。たとえば、配当利回りが3%の株式に投資すれば、年間60万円の配当金を得られる可能性がある。
もちろん2,000万円全額を株式投資に回す場合は、その分リスクも高まるため、自分のリスク許容度をよく検討するようにしよう。
【ライフステージ別】おすすめの資産運用
資産運用の方法はライフステージによっても異なる。ここからは、おすすめの資産運用をライフステージ別に紹介していこう。
現役世代におすすめの資産運用
現役世代の資産運用では、今後想定されるライフイベントへの出費にしっかりと備えておきたい。
人生の3大支出は「教育資金」「住宅資金」「老後資金」といわれているが、たとえば教育資金ひとつをとっても、大学の卒業までに数千万円の準備が必要だ。
いざ資金が必要となったときに慌てることのないように、子供が生まれたときから貯蓄の計画を立てておこう。
また、人生100年時代と呼ばれる現在では老後生活への備えも欠かせない。豊かなセカンドライフを過ごすためにも、しっかりと計画的に準備に取り組もう。
その際は、iDeCoやNISAなど資産運用を後押しする制度を活用することもおすすめだ。
職種別に最適な資産運用方法が知りたい人はこの記事を参考にするといいだろう。
退職者におすすめの資産運用
資産運用と聞くと、「現役世代が取り組むもの」というイメージがあるかも知れないが、セカンドライフに入ったあとも引き続き資産運用に取り組むことがおすすめだ。
これは、資産運用によってお金の寿命を延ばせるためである。
たとえば、65歳から老後資金2,000万円を毎月10万円ずつ取り崩す場合のお金の寿命をシミュレーションしてみよう。
65歳から2,000万円を10万円ずつ取り崩す場合
利回り | 老後資金が尽きるまでの年数 |
0% | 16年8ヶ月(81歳8ヶ月) |
1% | 18年2ヶ月(83歳2ヶ月) |
3% | 22年11ヵ月(87歳11ヶ月) |
まったく運用しない場合は81歳で資金が尽きてしまうが、資産運用で利回りを得る場合はその分お金が長持ちすることとなる。長生きのリスクに備えるためには、退職した後も資産運用に取り組むことが大切だ。
なお、老後世代におすすめの運用法が具体的に知りたい方は、この記事で運用例などを詳しく紹介しているのでぜひチェックしてみてほしい。
資産運用の相談先は「資産運用ナビ」で見つけるのがおすすめ
ここまで年代や金額別におすすめの資産運用法を解説してきたが、「自分にこの金融商品があっているのかわからない」「本当にこれで利益が出るの?」などと、なかなか自分で決断できない人もいるだろう。
実際のところ、日本では銀行を中心に証券会社やFPなど、専門家に相談しながら運用を進めている人が多い。
そして結論からいうと、資産運用は自分一人でやるよりも信頼できる相談先を見つけてプロと進めていくことが好ましい。そこでこの記事の最後では、信頼できる相談先を見つける方法を紹介しよう。
資産運用を専門家と進めるべき理由
ここまで解説してきたように、「おすすめの資産運用」と一口にいってもそれは投資家によってさまざまだ。そして、年代・金額、さらにはライフステージやリスク許容度など、あなたに最適な資産運用法を決める要因はいくつもある。
さらに、株式や投資信託は初心者にもおすすめできる運用法ではあるものの、常に変動するためマーケット動向や経済・国際情勢の動向について最新の情報をチェックする必要もある。
これらのことを完璧にこなすのは、初心者はもちろん、たとえ経験者であっても決して簡単なことではないはずだ。
ただ、資産運用で継続的に利益を積み上げていくためには、自分にあった運用法で適切なアフターフォローを行っていくことが鍵となる。
だからこそ、資産運用は金融のプロと相談しながら進めていくべきなのだ。
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資産運用の相談をするなら、その相談先選びにもこだわってほしい。
資産運用の相談先には、銀行・証券会社、FP、IFAなどさまざまな選択肢がある。その中でどこが自分にとって最も適切な相談先なのか、それを客観的に判断するのは難しいだろう。また、銀行や証券会社では会社側から担当者をつけられることがほとんどなので、「投資家が選ぶ」ということ自体がそもそもできない。
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低金利環境が続く現在では、自ら資産運用に取り組み利回りを得ることが欠かせない。
資産運用にはさまざまな方法があるが、より適切な資産運用に取り組むためには、専門家へ相談することがおすすめだ。
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